2023年10月23日

MieMuで、シロチドリの話をしてきました(守屋)

MieMuは三重県総合博物館のことです。
立派な建物でした。庭で親子連れが遊んでいて、近くに博物館の施設があるのはいいですね。
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今回、企画展『第35回企画展 鳥のひみつ調べ隊! みて・きいて・ふれて』の関連イベントとして、お話をさせていただく機会を得ました。
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「砂浜にシロチドリを探しに行こう」というタイトルで、シロチドリの生態やシギ・チドリや湿地、保全の事を話しました。90分の長い時間だったのですが、最後に質問も出て皆さん熱心に聞いていただきました。
シロチドリを怖がらせない観察方法とかを伝授しましたよ。

MieMuには、「坂本式動物剥製法」を著した橋本太郎氏(三重出身)のコレクションを多数所蔵しているとのことで、企画展は、わかりやすい解説をつけて多くの標本などを展示しており、鳥に興味を持つ入り口となるような企画展でした。ぜひ見に行ってみてください。バードリサーチからも鳴き声の提供をしています。11月と12月に、フィールドワーク「身近な冬鳥を観察しよう」もあるそうです。12/10日まで。
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/p0031300086.htm

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鳥の鳴き声が確認できる展示
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イカルチドリとチドリ模様の小皿(文化的な展示も興味深かったです)
posted by ばーりさ at 12:46| 活動報告

2023年10月20日

『新版 鳥はなぜ集まる?』の特別付録に協力しました

東京化学同人から、上田恵介さんによる『新版 鳥はなぜ集まる?』が出版されました。
その特別付録として「全国群れマップ」と「明日からできる野鳥調査」の作成に協力し、バードリサーチのプロジェクトをたくさん紹介してもらいました!
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この本は、1990年に刊行された『鳥はなぜ集まる?―群れの行動生態学』の復刻改訂版で、鳥の群れにまつわる科学よみものです。私(植村)は鳥の研究をしたくて大学に進学した直後にこの本に出会い、何度も読み返していた本でしたので、こうして関われたことをとても嬉しく思います。

このブログを見ておられる方はすでに鳥への興味をかなりお持ちの方々だと思いますが、ぜひこの本を読んでさらに鳥への興味を掻き立てられて、バードリサーチの調査研究にもどんどんご参加ください!
付録のうち、繁殖分布調査については2016年から2021年にかけて行ったものなので「明日から」はできませんが、また次回の2030年代の調査へのご参加をお願いします!笑
posted by ばーりさ at 10:00| 活動報告

2023年10月17日

ヒヨドリは蜘蛛の暮らしを知っているU 〜雨の日に出てくる時間が早いことも〜

 昨年8月のニュースレターで,事務所の看板に,夕方になるとヒヨドリがクモを食べにやってくることを報告しました。

 今年もヒヨドリは去年よりも早く,5月中旬頃からやってきていて,クモが大きくなった6月中旬からは,高頻度に来るようになりました。





 高頻度に来たせいで,クモがいなくなってしまい,その後,ヒヨドリも来なくなってしまったので,予定していた,長期間の調査ができなかったのですが,観察していて興味深かったことがありました。それは雨の日はヒヨドリが来る時間が早いことです。

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 晴れか曇りの日は,18時台に見られることが多く,それ他の時間帯は少ないのですが,雨の日は,16時台をピークにその前後に見られることが多く,腫れや曇りの日は多かった遅い時間に観察されることはありませんでした。
 これはクモの行動を見ると,一目瞭然で,クモは晴れや曇りの日は,19時には,必ず出てきていますが,それより早い時間帯はあまり出てこないのですが,雨の日は,17時には必ず出てきているのです。


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 今年は,事務所のそばで日中でも時々ヒヨドリの声がすることがあったので,もしかすると,遠くから見ていて「クモいるね」と雨の日は早い時間からやってくるのかもしれませんが,おそらく,雨の日にクモの行動が違うことを知っていて,早い時間帯にヒヨドリがクモを食べにやってくるのではないかと考えています。


 でも,なぜ,クモは雨の日に早く出てくるのでしょうか? ぱっと思いつくのが,雨の日は暗いことで早くから暗くなるから,早めに出て来るのではということです。ただ,照度計で測ってみると,確かに多少暗くはあるのですが,それが原因というほど差があるわけではないんですよね。

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確かに,夜になると看板の蛍光灯も灯って,明るいし,明るさだけが制限になっているのは考えにくいですよね。日が暮れると湿度が上がりますし,そいういったいろいろな変化で出てくる時間が決まるのかもしれないです。


posted by ばーりさ at 14:29| 活動報告

2023年10月06日

大都会のムクドリねぐら調査

ムクドリは街中の駅前やビルのそばなど人通りの多いところに大きなねぐらを作ることがあります。
バードリサーチでは全国からムクドリのねぐら情報を収集し、どういうところにムクドリがねぐらをつくりやすいのかを調べています。
ムクドリのねぐら調査プロジェクト

都市でムクドリは増加傾向にありますが(参照 バードリサーチニュース2020年2月: 1 )、いわゆる大都会ではムクドリのねぐらは多くないようです。例えば東京都内では約40箇所でねぐらが記録されていますが、そのうち山手線の内側にあるのは2箇所だけです(下図の赤い2地点)。
(画像はクリックすると高解像度のものを見られます)
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大都会にあるムクドリのねぐらはどんなところに作られているのか、渋谷区の表参道にあるねぐらを見に行きました。
夜になっても人通りが多い場所です。
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表参道には大きなケヤキの並木が続いていて、そのうちほんの1, 2本の木がムクドリのねぐらになっています。下の画像で赤い丸で囲んだ場所にムクドリのねぐらがあります。
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この場所の個体数は多くても200羽ほどで、ねぐらとしては小さい方です。
これまで、他の場所で行った調査では、ムクドリのねぐらは隣り合う木との枝葉間の距離が空いている場所が選ばれる傾向がありました。しかし、表参道のねぐらは、少なくとも片面は、隣り合う木と枝葉がかぶっていました。ただし、街路樹の列の端っこにあるので、もう片方の面は大きく開けており、近くにある明治神宮から来るであろうオオタカなどの捕食者を早く発見できる場所なのかもしれません。また、表参道の中でも一際明るい一角にあったことも印象的でした。

先日は神奈川県の大和駅前の街路樹でもねぐらの調査をしてきました。
調査と解析を続け、ねぐら環境を明らかにしていこうと思います。
posted by ばーりさ at 13:36| 活動報告

2023年09月30日

Cordillera Green Networkの反町さんが事務所に来てくれました

フィリピンのコーヒー農園での野鳥調査で一緒に活動していて、普段はフィリピン在住の反町眞理子さん(Cordillera Green Network)がバードリサーチの事務所に来てくれました。来年からの野鳥調査の打合せのためです。

ニュースレターの「フィリピンのコーヒー農園を夏鳥の越冬地にしたい」で書いたように、反町さんたちのCGNはアグロフォレストリーで持続可能なコーヒー生産をする農家を助けて、そのコーヒーを日本に輸出しています。バードリサーチではそうしたコーヒー農園の景観の違いによってどのくらい野鳥が生息しているのか、また自然林との差はどういうことがあるかを調べます。

右から2番目が反町さん。左端が神山。
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数日前、反町さんと東京ビッグサイトのコーヒー見本市に行きました。写真は、反町さんたちが支援している農家の(そしてバードリサーチの調査地でもある)コーヒーを日本で販売している海の向こうコーヒーのイベント会場のようすです。インドネシアの小規模生産者のコーヒーを紹介していました。
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反町さんからお土産にもらった、フィリピン国内で販売しているコーヒーです。
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posted by ばーりさ at 15:15| 活動報告