2020年05月05日

今年のツバメは,西はやや早く,東はかなり早かった

5月になりました。
季節前線ウォッチのツバメの初認情報も落ち着きましたので,ここまでの情報をまとめてみました。
まずは全国集計の過去からの変遷。

ツバメ全国.png

一番下が今年の記録です。去年とパターンは似ていますが,3月下旬には,すでにピークを越えており,今年の渡来は早々に済んでしまい,去年よりも早かったことがわかります。2009年,2013年も初認が早かったのですが,2009年とならび,これまでで一番渡来の早かった年と言えそうです。

このことは地方別の渡来状況でもうかがえます。

ツバメ2016-20比較.png

同様に,一番下に今年の記録が示されていますが,渡来が始まる西日本では,やや早い程度ですが,その後に渡来する東日本ではいずれも渡来が早いことがわかります。東日本が早かったため,渡来が終わるのが早かったのでしょう。

ただ,ツバメの渡来が一段落した4月になってから寒くなったためか,山の鳥のさえずりは意外と活発になるのが遅い傾向もみられています。

渡来時期は早かったけど,繁殖時期がどうなのかなどについても気にしてみようと思います。

これから,カッコウ類などの渡来が本格化する時期です。引き続き季節前線ウォッチへご協力ください。


posted by ばーりさ at 16:48| 活動報告

2020年05月01日

森林性度合いの違いと東京での分布拡大タイミングの関係

昨日公開したコジュケイについてのニュースレターの記事でも少し紹介しましたが,東京都では樹林性の鳥が増加し,分布を拡大しています(植田・佐藤 2018)。
ただ,それらの種の中でも,コゲラのように増加速度の鈍ったものも,メジロのように徐々に増加しているもの,そして,ヤマガラやアオゲラのように近年急激に増加しているものなど,パターンが違うことがわかっています。

図1.png
図1 各種鳥類の1970年代からの分布拡大の状況

 パッと見,より森林性の高いものが最近になって増加しているように見えますが,実際のところはどうなんでしょうか? そこで,各種の森林性の高さの指標として生息している緑地の面積を使い,検討してみました。

 ぼくは,春のあいだは毎朝,ツミを探して,国分寺から府中にかけての緑地を巡っています。そしてツミだけでなく,観察できた鳥を バードリサーチの野鳥記録データベース「フィールドノート」に登録しています。今回はその記録を抽出して各種鳥類の生息の有無とその緑地の面積(Googleマップで計算)について,ロジスティクス回帰で検討してみました。それが図2です。当てはまりのよい種とそうでない種がいますね。

図2.png
図2 各種鳥類の出現の有無と森林面積のロジスティック回帰

 あてはまりの悪い種の1つがアオゲラです。大きな樹林をもつ緑地にはだいたいいるのですが,いない緑地があったり,逆にずいぶん小さな樹林面積でもいる緑地があります。これはアオゲラの行動圏が広いことに起因していそうです。行動圏が広いので,樹林1つに行動圏が完結していなく,近くに樹林があれば,小さな樹林も利用しているのでこのような結果になったのかもしれません。解析対象は樹林面積よりも,その地域の樹林の総面積とかの方が良かったのかもしれません。また行動圏が広いので,逆にいてもたまたま出会わないなんてこともあり得て,大きな緑地でも確認できなかったところがあるのかもしれません。
 もう1つあてはまりの悪かったのがガビチョウです。大きな樹林2か所で生息していなかったため,あてはまりが悪くなりました。この2か所の緑地は調査地の北側のJR中央線より北側の調査地でした。ガビチョウはご存知の通り外来種で,現在絶賛分布拡大中の種です。この地域では調査地より南側を流れる多摩川の河畔林から分布を拡大させています。そのため,まだ,調査地の北側まで分布拡大の流れが達していないのではないかと思われます。

 こうした問題もあるのですが,このロジスティック回帰を使って,各種鳥類の生息確率が50%(図の青線)を超える樹林面積と近年の増加度合との関係を見てみました。

図3.png
図3 最近の増加度合と,森林鳥類指標との関係


 1点(エナガ)を除きいい感じに樹林性の高い種ほど,最近になって分布を拡大させているという傾向が見られました。エナガは群れ生活をする種です。オナガもそうですが,群れ生活をする種は,単独のようにポンポンポンと分布を拡大させず,じわじわ広がっていく傾向があります。そのため,樹林性がそれほど高くないにもかかわらず,近年になって分布を拡大したという結果になったのかもしれません。

 今回,東京都繁殖分布調査の結果でこうした結果が見られましたので,全国繁殖分布調査の結果ではどうか,あるいはほかの都市では,どうなのかについて気にしながら見ていきたいと思います。

posted by ばーりさ at 14:40| 活動報告

2020年04月30日

BRステイホーム企画2 シギ・チドリの採食動画

沿岸へのアクセスも難しいGWとなりましたが、感染拡大防止の為STAYHOME!

BRステイホーム企画として、シギ・チドリの採食・探餌行動の動画をアップロードしました。相当昔に作成したのですが(機材もちょっと古いです)、流す機会があまりなかったものです。
ちょっと長くて20分ほどありますが、時間がある時にご覧ください。



現在も情報収集を続けております。
観察記録、シギ・チドリの採食している写真などがありましたらご協力お願いします。
シギ・チドリ類食生調査
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posted by ばーりさ at 10:48| 活動報告

2020年04月29日

BRステイホーム企画1 動画で鳴き声 学習 春の北海道の森の鳥 編

バードリサーチもステイホーム!

人の少ない早朝は,近所の公園で渡りの途中の夏鳥を探すのを楽しめますが,日中は出歩きにくいゴールデンウィークになってしまいました。
そこでバードリサーチもステイホーム企画をはじめます。GW中の休日には1つくらい何か家で楽しめる企画を出そうと思います。

最初は,家で鳥の声の勉強でもしてみようという動画コンテンツ『動画で鳴き声 学習』春の北海道の森の鳥 編

静止画に音がついているだけで,本物の動画じゃないんですけどね。
環境,季節別の鳥を紹介していこうと思います。最初は何にしようかと考えて,せっかくなら,行ってみたい場所ということで,北海道の山の鳥を紹介します。Cyberforestの録音アーカイブを利用させていただき,作成しました。

5分くらいの動画なので,ご覧ください。

posted by ばーりさ at 11:02| その他

2020年04月27日

エゾムシクイが渡ってきました

コロナで遠くには行けない状況ですが,この時期,近所の公園でも渡りの途中の鳥を楽しむことができます。
日中は人が多いという公園も早朝は人もほとんどいないので,安全?です。

林床にはムサシノキスゲ。

P4260669.jpg

そして,エゾムシクイにも会いました。
ムサシノキスゲもエゾムシクイもゴールデンウィークのイメージなので,今年はちょっと早いかも,と,思いました。
でも,本当でしょうか? そんな時はバードリサーチの野鳥記録データベース「フィールドノート」で検索です。

過去の記録をまとめてみるとこんな感じです。

名称未設定-1.png

記憶通り,4/29からのゴールデンウィークが飛来のピークですが,それ以前も,それほど少ないわけではありません。

それでも,2012年と2018年はゴールデンウィークより前の記録が多いなど,年による差もありそうでした。

やはり記憶より記録。皆さんも「フィールドノート」ぜひご活用ください。
posted by ばーりさ at 09:16| 活動報告