−オスの小ささ、メスの大きさ、を生み出す選択圧を探る−」
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です。
猛禽類では雌が雄よりも大きい体サイズの性的二型があります。雄は小さい方が、雌は大きい方が子孫を残すのに有利だ、ということがスペインのオオタカの研究で示されています。しかし、子や孫の代の生存率や繁殖成績をみないと結論は出せません。この調査研究プランは、南大東島のリュウキュウコノハズクの19年分のデータを使って、この問いに答えを出そうというものです。(詳細はコチラ)
いただいた近況報告をご紹介します!
猛禽類では雌が雄よりも大きい体サイズの性的二型があります。雄は小さい方が、雌は大きい方が子孫を残すのに有利だ、ということがスペインのオオタカの研究で示されています。しかし、子や孫の代の生存率や繁殖成績をみないと結論は出せません。この調査研究プランは、南大東島のリュウキュウコノハズクの19年分のデータを使って、この問いに答えを出そうというものです。(詳細はコチラ)
いただいた近況報告をご紹介します!
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みなさま、こんにちは。北海道大学理学院博士3年の澤田明と修士1年の江指万里です。このたびは調査研究支援プロジェクトでのご支援ありがとうございました。
調査地の沖縄県南大東島より経過と近況の報告をいたします。
私たちは「なぜ猛禽類のメスはオスよりも大きいのか?」という問いを、今回の調査研究支援プロジェクトのテーマとしました。この問いに答えるために、約20年にわたり標識調査と繁殖調査が続けられている南大東島のリュウキュウコノハズク(亜種ダイトウコノハズク)個体群を研究材料に用いました。
これまでに蓄積された膨大な繁殖データや生存記録、さらに今年の調査で同様に集めたデータから、たとえば「小さいオスは多くの子を残せるのか?」とか「大きいメスは長生きできるのか?」などといった仮説の検証に取り組んでいます。
こうした仮説が支持されれば、オスが小さく、あるいはメスが大きくなるに進化を駆動する力(選択圧)の存在が示唆され、性的二型の逆転の説明が可能になるからです。
今年の繁殖調査では約90か所の巣から繁殖の記録を行いました。2月末から7月初めの約4か月の間、天気や人間都合にかかわらず定期的に巣箱や自然の樹洞を見回る調査は、単純でありながらも大変な調査です。
調査地の沖縄県南大東島より経過と近況の報告をいたします。
私たちは「なぜ猛禽類のメスはオスよりも大きいのか?」という問いを、今回の調査研究支援プロジェクトのテーマとしました。この問いに答えるために、約20年にわたり標識調査と繁殖調査が続けられている南大東島のリュウキュウコノハズク(亜種ダイトウコノハズク)個体群を研究材料に用いました。
これまでに蓄積された膨大な繁殖データや生存記録、さらに今年の調査で同様に集めたデータから、たとえば「小さいオスは多くの子を残せるのか?」とか「大きいメスは長生きできるのか?」などといった仮説の検証に取り組んでいます。
こうした仮説が支持されれば、オスが小さく、あるいはメスが大きくなるに進化を駆動する力(選択圧)の存在が示唆され、性的二型の逆転の説明が可能になるからです。
今年の繁殖調査では約90か所の巣から繁殖の記録を行いました。2月末から7月初めの約4か月の間、天気や人間都合にかかわらず定期的に巣箱や自然の樹洞を見回る調査は、単純でありながらも大変な調査です。
巣箱で抱卵中のメス
今年は繁殖期の中盤に長雨が続いたこともあり、多くのヒナが死んでしまいました。このような巣間で繁殖の成功度合いに違いが生じたときには、親鳥の体の大きさに応じた繁殖の上手さみたいなものがデータに現れている可能性もあります。たくさんのヒナが死んでしまったのは残念ですが、今年得られた生態学的には重要なデータを今後の解析に活かせたらと思います。
この巣箱ではヒナ3羽のうち2羽が死んでしまいました
繁殖調査に並行して捕獲と形態計測も行いました。一羽一羽行う地道な形態計測の積み重ねが重要なデータとなっていきます。
この1,2カ月はデータをあれこれいじっています。まだいろいろ検討すべきことがあるので踏み込んだことは言えませんが、小さいオスが有利そうという結果は出てきています。
南大東島の研究室でパソコンに向かう澤田
今年は台風10号が南大東島の森林を大きく破壊しました。南大東島は台風中継で有名な島でもあります。台風をうまくしのいだり、台風後の良くない餌条件を生き延びたりするうえでも、体の小ささには意味があるかもしれません。今回の結果は発展性がありそうです。台風後の影響に関しては研究室の後輩の中村さんや熊谷君が中心となって調査を始めてくれています。そちらの今後の展開も楽しみです。