2019年12月12日

近況報告2018≫ 巣箱設置におけるカラ類等の長期的センサス

バードリサーチの研究支援プロジェクト(2018)で、皆様からご支援いただいている研究の近況報告が届きました。

名城大学農学部野生動物生態研究会による
「巣箱設置におけるカラ類等の長期的センサス」
です。

この調査研究プランでは、カラ類以外にもキビタキも利用できるちょっと特殊な形状の巣箱をつくって、森林性鳥類の産卵数や巣立ち率、繁殖時期の変化などを長期的にモニタリングしていこうと計画していました。(詳細はコチラ

いただいた近況報告をご紹介します!

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中間報告

みなさんこんにちは。名城大学 野生動物生態研究会です。
この度はバードリサーチの研究支援対象に選ばれご支援していただきありがとうございます。無事に野外での調査は終了し、残りは分析をあと少し残すのみとなりました。この研究結果は、学部4年の岸が卒論としてまとめています。簡単ではありますが調査の様子など感想を交えながら近況を報告させていただきます。

巣箱たて.jpg トラップ.jpg
2月の上旬から調査地に60個の巣箱をかけました。調査の簡易化を考えて直接木に掛けるのではなく、ポールの上に設置しました。高さは平均的な男性の顔ぐらいの高さです。

キビタキ卵.jpg
キビタキ 営巣巣箱

シジュウカラ雛.jpg
シジュウカラ  営巣巣箱

ヤマガラ雛.jpg
ヤマガラ 営巣巣箱

初めての取り組みということもあり、小鳥たちが営巣してくれるかどうかさえも分からず最初は不安な日々が続きました。最初に営巣の形跡があったのは3月の16日。シジュウカラの巣作りがスタートしました。

営巣の確認は、巣箱をそっと覗き、親がいないことを確認してから上からスマホで写真を撮って確認します。
その後も、8月の初旬まで営巣が続々と続き、ジジュウカラ5つがい、ヤマガラ7つがい。キビタキ4つがい の計16つがいの営巣巣箱を調べることが出来ました。

ですが、やはり問題もあり、カメラによるモニタリングもしたかったのですがあまりうまくいっておりません。改善が必要です。様々な問題点が見つかった野外調査でとても良い学びになりました。

この特殊な形の巣箱でも十分に対象の小鳥たちを調べることが出来ると分かったので、今後も改善を続けながら継続していきたいと思います。

キビタキ雄.jpg
キビタキ 雄 

カメラモニタリング画像.jpg
カメラによるモニタリング 画像

posted by ばーりさ at 11:45| 研究支援(近況報告)

2019年11月22日

近況報告2018≫ バードバスとセンサーカメラを用いたモニタリング

バードリサーチの研究支援プロジェクト(2018)で、ご支援いただいている「だれでも参加可能なバードバスとセンサーカメラを用いたモニタリング」の中間報告です。

この調査研究プランは、簡単な身近な鳥の調査方法の仕組み作りが目的で、具体的には,庭(バードバス)に訪れる鳥を自動で撮影し自動で結果を送信する仕組みづくりを目指します。

(詳細はコチラ

近況です。

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バードリサーチホームページ内にサイトを開設しています。

2019-11-22.png

今年の5月にバードバスを設置してる方々に、家の周りに来る鳥とバードバスに来る鳥についてアンケート調査を行いました。34名の方にデータを送っていただき、7月末に集計を行ったところ、家の周りでは83種、バードバスでは40種が目撃されていました。家の周りで最も観察された種とバードバスで観察される種に違いがあり、水場を利用しやすい種とそうでない種があるようです。特に、キジバトとドバトは同じハト科でありながら対照的な興味深い結果となっています。(結果はコチラ

現在、東京都清瀬市で稼働しているカメラのほかに、岡山県倉敷市のバードバスでカメラを稼働させています。このカメラは、ビデオだけを撮影するもので、Twitterへの自動投稿を行わず、環境センサーも取り付けていないシンプルな普及型です。8月中旬に設置しましたが、当初二か月近く野鳥の訪問がなく、場所が悪いのか心配しましたが、冬鳥が動き出す10月頃になって、野鳥が渡来するようになりました。現在、シジュウカラ、スズメ、ジョウビタキ、ホオジロ、メジロ、ヒヨドリ、ウグイスが観察されています。ただし、頻度は高くありません。やはり設置する環境は選ばないとダメなようです。

201910230833Kurashiki-BirdBath-jyoubi_Moment.jpgジョウビタキ
201911070809Kurashiki-BirdBath-meji_Moment.jpgメジロ

大雨などの荒天もありましたがカメラ自体はほぼ安定して稼働できるようになりました。

設置募集を行い(応募ありがとうございます)、今後、徐々に設置地域を広げていこうと考えています。

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posted by ばーりさ at 16:43| 研究支援(近況報告)

2019年11月15日

近況報告2018≫ アカモズの生息に適したリンゴ栽培方法は?

バードリサーチの研究支援プロジェクト(2018)で、皆様からご支援いただいている研究の近況報告が届きました。

信州大学の松宮さん、赤松さん、原さんによる
「アカモズの生息に適したリンゴ栽培方法は?」
です。

この調査研究プランは、長野県のリンゴ園に生息しているアカモズを対象に、リンゴの栽培方法が違う農地の間でアカモズの繁殖成績や食物量などを比較し、どの管理方法がアカモズの生息に適しているのか、またその理由について明らかにすることを目的としています。(詳細はコチラ

いただいた近況報告をご紹介します!

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<アカモズの生息に適したリンゴ栽培の方法は?>
中間報告

◆調査概要
 調査は5〜8月に長野県内のリンゴ果樹園で行いました。2015年から継続して行っている繁殖個体数のモニタリングに加え、繁殖成績および捕食者についても調査しました。

◆渡来数は昨年と同程度
例年であればゴールデンウィーク明けにはアカモズが渡来しますが、今年はやや遅く、5月中旬頃でした。4〜5月初旬にかけて気温の低い日が続いたことと関係があるかもしれません。初認が遅く心配しましたが、その後は順調に渡来し、個体数に大きな減少はありませんでした。

◆地域によって異なる繁殖成績
 繁殖成績を調査した結果、地域によっては繁殖に成功するペアが少ないことが分かってきました。特に繁殖成績の低い地域では、半数以上の巣が、卵か雛の間に天敵に捕食さていました。この繁殖成績の低さが栽培方法やその他の環境の違いと関連しているかどうかは現在解析途中ですが、どうやら営巣場所の中でも捕食されやすい場所・されにくい場所がありそうです。

◆明らかになった捕食者
 これまで果樹園におけるアカモズの天敵としてはネコが確認されていましたが、今年の調査でアオダイショウによる巣内雛の捕食を確認しました。ネコに襲われた巣は崩されていたのに対し、アオダイショウに襲われた巣は目立った損傷がありませんでした。繁殖に失敗した巣のうち、捕食者が特定できなかった巣についても、損傷がなく卵や雛だけがいなくなっていることが多くありました。もしかしたら果樹園のアカモズにとってはアオダイショウも大きな脅威となっているのかもしれません。

001雛を捕食したアオダイショウ.jpg
雛を捕食したアオダイショウ

◆これからの予定
 個体数は安定しているようで、とりあえず安心しましたが、繁殖成功率が低い地域があることが気になりました。これが今年だけの偶然的なものなのか、毎年そうであるのかは、来年以降の継続的な調査で判断し、場合によっては対策を講じる必要がありそうです。
 現在、繁殖成績と環境条件との関係について解析に差し掛かったところです。テーマであるアカモズの生息に適した栽培方法の解明に向けて解析を進めております。

◆その他
 夏にはアカモズが生息する地域の方々や果樹農家の方々に向けた勉強会&意見交換会を開催しました。参加者からは積極的な質問を頂き、地域の方々の関心の高さに驚きました。また、アカモズの生息地で採れたりんごやその加工品を使って何か保全活動ができないか話し合いを進めております。今後も、地域に根差した保全活動を続けていきたいと思っております。

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勉強会風景
posted by ばーりさ at 15:46| 研究支援(近況報告)

2019年11月14日

近況報告2018≫ 科学者としてのバードウォッチャー

バードリサーチの研究支援プロジェクト(2018)で、皆様からご支援いただいている研究の近況報告が届きました。

高田陽さんによる
「科学者としてのバードウォッチャー 〜市民科学・市民調査の社会学的研究〜」
です。

この調査研究プランは、市民参加型調査に参加している人はどんな人なのか、どんな思いで参加しているのか、参加した体験は何を生むのか、調査に参加された方たちへのアンケートやインタビューによって明らかにすることを目的にしています。(詳細はコチラ

いただいた近況報告をご紹介します!

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現在4つの市民科学団体と探鳥会でアンケートを取っています。今後も調査する団体を増やす予定です。
全国規模の活動や地域での活動を調べる中で共通点や異なる部分が見えてきました。
参加できる市民参加型調査にはなるべく参加しながらアンケート調査を行っています。
10月には多摩川での鳥類調査に継続的に参加しました。多摩川の調査ではコシアカツバメの群れやコムクドリなど秋の渡りの雰囲気がありました。

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探鳥会で説明をする高田さん(写真中央)

posted by ばーりさ at 17:17| 研究支援(近況報告)

2019年10月23日

近況報告2018≫ 川はユリカモメの道しるべ?

バードリサーチの研究支援プロジェクト(2018)で、皆様からご支援いただいている研究の近況報告が届きました。

竹重志織さんによる「川はユリカモメの道しるべ?」です。

この調査研究プランは、東京湾にそそぐ都市河川の上をなぞるように飛ぶユリカモメの行動について、目的地にいくための道しるべとして川を利用しているのか、それとも、高層ビルが邪魔でやむを得ず川の上を飛んでいるのか、明らかにしようというものです。(詳細はコチラ

いただいた近況報告をご紹介します!
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<川はユリカモメの道しるべ?の経過報告>
 調査は下記のように実施しました。
  • 時期) 2019年の2〜4月
  • 調査地) 東京都の隅田川と神奈川県の鶴見川
  • 調査対象) 日の出前後と日の入り前における、ユリカモメの日周移動の個体数&移動空間や方向のタイプ(河川直上、河川から離脱or進入など)を記録

「ユリカモメの移動経路としての河川への依存度は河川や時間帯によって異なる」という結果になりそうです。
なお、同じ河川内でも、ほぼ全ての個体が河川から外れずに飛行するポイントと、一部の個体が河川から外れるポイントがあるので、その要因を近隣の水域の存在やビルの高さなどといった視点で分析中です。
また、建物の高さや河川の周辺土地利用は時間帯によって変化しないので、河川沿いにおけるなんらかの人間活動の程度(例えば給餌)が時間帯によって異なり、それがユリカモメの移動経路を時間帯によって変化させた可能性があるのではないか、と考えております(あくまで考察ですが)。

今回の調査では、河川沿いの給餌の程度といった人間活動の程度は記録していなかったので、今年の冬の調査では都市における水鳥の移動を、・駆動する可能性がある要因(例)土地利用:河川,人間活動:給餌場所・阻害する可能性がある要因(例)土地利用:河川上の高速道路,人間活動:交通量?といった土地利用と人間活動の両側面から研究していこうと考えております。

なお、2017年12〜3月に東京の神田川で調査をした際には、ユリカモメは移動経路としての河川への依存度は時間帯に関わらず高く、ほとんど河川から外れて移動をしないという結果がでていたので驚きです(神田川での結果は、近日中に国際誌に投稿します)。

いずれは市民調査を計画して、同時に複数の河川を調査できるような仕組みづくりをしたいと考えております。

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posted by ばーりさ at 16:14| 研究支援(近況報告)