2017年02月14日

種の保存法改正〜確認種リスト作成エクセルも更新〜(奴賀)

 法律と聞くとなんだか難しくて、ネットで調べてもピンとこない、という方もいると思います。今回、種の保存法の改正点についての記事とともに、種の保存法に関連するサイトへのリンクもまとめてみました。改正にともない、確認種リスト作成エクセルの希少種情報も更新しました。
 いろいろ調べてみましたが、やっぱり法律は難しいです。。。

種の保存法とは
 種の保存法(正式名称:絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律)とは、絶滅のおそれのある、国内に生息・生育する希少野生生物や外国産の希少野生生物を保全するための法律で、保全のために必要な措置を定めています(平成5年4月施行)。
 国内に生息・生育する希少野生生物については、環境省レッドリスト掲載種の中から、国内希少野生動植物種を指定し、個体の取り扱い規制(捕獲や流通の規制等)、生息地の保護(ミヤコタナゴ生息地、キタダケソウ生育地等)、保護増殖事業(トキ、イヌワシ等)の実施など保全のために必要な措置を講じています。
 外国産の希少野生生物については、ワシントン条約(付属書I掲載種)、二国間渡り鳥等保護条約・協定(通報種)に基づいて、国際希少野生動植物種を指定しています。国際希少野生動植物種に指定されている種については、販売・頒布目的の陳列・広告と、譲渡し等は原則として禁止されています。

 
種の保存法改正について
 今回、ワシントン条約第17回締約国会議(2016年9月24日〜10月4日、ヨハネスブルグ)における附属書の改正および、第18回日豪渡り鳥等保護協定会議(2016年10月25日〜27日、ケアンズ)においてオーストラリアから絶滅危惧種の鳥類について通報があったことをふまえ、国際希少野生動植物種の追加及び削除を行ったため、種の保存法が一部改正され、2017年1月2日に施行されました。
 国内希少野生動植物種については、平成27年の追加以降、変化はありません。
 国際希少野生動植物種については、ワシントン条約の改正でヨウムが付属書Tになったことから追加されました。また、日豪渡り鳥等保護協定会議でオーストラリアから絶滅危惧種の鳥類について通報があり、112種が追加され、28種が削除されました。
 日本でよく見られる鳥類については、チドリ目で大きな変化がありました。メダイチドリ、オオメダイチドリ、コオバシギ、オバシギ、サルハマシギ、ホウロクシギ、オオソリハシシギの亜種Limosa lapponica baueriL. l. menzbieriが追加、コアジサシSterna albifronsが削除され、コアジサシが亜種S. a. browniに変更されました(写真1, 2)。
メダイオオメダイ.jpg
写真1. 追加されたチドリ類.

オバシギたち.jpg
写真2. 追加されたシギ類の主な種.

 日本ではあまり見られない鳥類については、ムシクイ類、アホウドリ類、ミズナギドリ類、オウム類で追加が目立ちます。亜種まで細かく設定されているものも多いです。
 少し注意が必要なことは、オーストラリアからの通報で追加があった種は、オーストラリアからの視点での絶滅が危惧されている種なので、中国の視点、ロシアの視点、アメリカからの視点では、それぞれで通報種に挙げられる種が異なってきます。今回、コアジサシが削除され亜種に変更されましたが、これはオーストラリアからSterna albifronsの通報解除があり、アメリカから通報されていたS. a. browniが残ったためです。
 日本からの視点では、減少傾向にあるシロチドリ(環境省自然環境局生物多様性センター 2015)や減少しているといわれるコアジサシ(奴賀ほか 2016)が、国内希少野生動植物種や国際希少野生動植物種に入っていても良いかなという感じがします。国際希少野生動植物種に入るためには、日本の現状を把握し、国際会議等で減少傾向にある種の状況を報告し、各国でも絶滅危惧にあるということが認識されることが必要だと考えられます。

 
確認種リスト作成エクセルVer.20170202
 今回の種の保存法の改正にともない、確認種リスト作成エクセル(バードリサーチニュース2015年12月:6)にある、種の保存法該当種リストを更新し、確認種リスト作成エクセルをバージョンアップしました(図1)。
リストサンプル.png
図1. 確認種リスト作成エクセルの作業シート(クリックで拡大)

エクセルの中のシートに、新しい種の保存法該当種リストもつけています。和名が無いものについては、学名のまま掲載しています。その他の希少種情報や操作方法は以前と同じですので、旧バージョン(Ver.20151225)をお使いの方は、新しいバージョン(Ver.20170202)をダウンロードしなおして、お使いください。
アイキャッチ2.jpg
↑↑↑ダウンロード↑↑↑

関連サイト集
種の保存法
環境省
EICネット
政府広報オンライン

ワシントン条約(滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)
外務省
EICネット

二国間渡り鳥等保護条約・協定
環境省
EICネット

国内希少野生動植物種
環境省
EICネット

国際希少野生動植物種
環境省
EICネット

国際希少野生動植物種の加除等について
環境省


引用文献

環境省自然環境局生物多様性センター. 2015. 重要生態系監視地域モニタリング推進事業(モニタリングサイト1000)シギ・チドリ類調査業務第2期とりまとめ報告書. 環境省自然環境局生物多様性センター.

奴賀俊光・北村亘・早川雅晴. 2016. 南関東のコアジサシの動向と営巣地における保全対策. 日本鳥学会2016年度大会講演要旨集: 202.

奴賀俊光. 2015. 確認種リスト作成エクセル. バードリサーチニュース2015年12月: 6.
posted by ばーりさ at 12:01| その他

2016年10月22日

サイエンスカフェ「キツツキの科学」録画を公開します(神山・佐藤)

10月18日のブログでお知らせしていたLiferbirdのサイエンスカフェ、キツツキの科学(お話し:石田健さん)が、本日、池袋で開催されました。講演の録画は下記URLでご覧下さい。録画スイッチを入れ忘れていて、冒頭が切れてしまったことをお詫びいたします。

ChromeとFirefoxでしか視聴できませんが、サイズの大きな動画です。
 https://recordings.join.me/vP8cG61auEWyOzkm6gNDbg


Youtubeにもアップしました。上記よりサイズが小さいですが、いろんなブラウザで見られます。
 https://www.youtube.com/watch?v=8OQsPo1xJmU&feature=youtu.be

posted by ばーりさ at 20:14| その他

2016年10月20日

水鳥を数えるカウンターの工夫(神山)

冬になるとカモのカウントをするのですが、数が多いとカウンターが必要です。紅白歌合戦のおかげで、バードウォッチャーと言えば世の中の人たちが、「あのカチカチしている人たちでしょ」とイメージしてくれる、あの、カウンターです。

ただガンカモ類でもシギチドリ類でも、群れの中にいくつもの種が混じっている場合は、1種しか数えられないカウンターというのは不便なものです。そこで私は、100円ショップで売っているカウンターを2つ3つ接着剤でくっつけて利用していました。ボタンのひとつに緑の針金を巻いてあるのは、カチカチしているうちに、どれでどの種を数えているのか忘れそうなので、「針金に触れるボタンは一番多い種」などの印にしているからです。
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これはなかなか便利だったのですが、片手で双眼鏡を持ち、もう一方の手でカウンターを握る場合は2連結カウンターが限界でした。
双眼鏡貼り付けられるような小型カウンターがあると便利なのなぁと思っていたところ、100円ショップのダイソーでいいものを見つけました。デジタルminiカウンターです。

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こんなふうに双眼鏡に付けると、鳥を見ながら4つまでのカウンターを使えます! ボタンはストロークが深くてクリック感があるので、押し損ねることもありません。欲を言えば、押したときにピッと音がして、電気的な接触が悪くなっていないかを確認できると安心なのですが。
部屋でカチカチ試してみたところでは使用感に問題はなさそうなので、今週末にフィールドテストをしてきます。

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2016-10-23追記。
実際にカモを数えてみたところ、カウンターは双眼鏡の接眼レンズに近い位置に付けた方が、カチカチしたときに双眼鏡が揺れないことが分かりました。数えやすくて、使い物になりそうです。付属のベルトは外して、コクヨのひっつきむし(壁にポスターなどを貼るための非硬化性パテ)で付けています。
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posted by ばーりさ at 12:06| その他

2016年08月13日

ひな鳥の冒険(ファインディング・ドリー同時上映短編)見てきました(奴賀)

先日、Disney PIXARの映画、ファインディング・ドリーを見てきました。
いや、正確に言うと、ドリーの前に上映される短編目当てで見てきました。
「ひな鳥の冒険」(英語タイトル:PIPER)
http://ure.pia.co.jp/articles/-/59732

モデルはミユビシギ。
DSCN2909ミユビシギ採食.jpg
鳥業界でもマニアックなシギがアニメ化されるなんて、びっくりです。
これを機会に「#シギチ浸透計画」をススメたい(笑)。

6分と言う短い時間ですが、砂浜での採食シーンはミユビシギの動きがよく描かれていました。
特に波が引いた後、群れで一斉に波打ち際に走る様子が良かったです。

しかし、鳥屋の目で細かく見てしまうと、、、
このミユビシギが食べようとしている二枚貝は、形や生息環境からフジノハナガイとかナミノコガイと言われる砂浜の波打ち際に生息する二枚貝の仲間と思われます。
この貝は、尖った方から足を出して、砂に潜ります。なので、必ず尖った方が下に向くと思うのですが、作品中では・・・。
ミユビシギは二枚貝のその足や(Nuka et al. 2005)、プランクトン等を食べるために出す水管だけ(McLachlan et al. 1980)をちぎって食べたりします。作品中では二枚貝を開けて食べているようですが・・・。
砂浜はミユビシギにとって越冬地または渡りの中継地にあたります。子育てをする繁殖地は北極圏のツンドラの湿地です・・・。

などなど、いろいろありますが、
ちょうど8月からは、繁殖を終えたミユビシギが日本にやってくる時期です(奴賀 2008)。
先日も九十九里浜にシギ・チドリ類調査に出かけたら、海水浴場のすぐ隣で走っているミユビシギの群れを観察できました。
海水浴ついでに、波と一緒に走るミユビシギのおもしろい動きもぜひ見てください。場所によってはフジノハナガイの砂に潜る行動も見れておもしろいですよ。


引用文献
McLachlan, A., Wooldridge, T., Schramm, M. & Kühn, M. 1980. Seasonal abundance, biomass and feeding of shore birds on sandy beaches in the Eastern Cape, South Africa. Ostrich 51: 44–52.

Nuka, T., Norman, C. P., Kuwabara, K. & Miyazaki. T. 2005. Feeding behavior and effect of prey availability on Sanderling Calidris alba distribution on Kujukuri beach. Ornithological Science 4: 139-146.

奴賀俊光. 2008. 生態図鑑ミユビシギ. Bird Research News 5(10): 4-5.

posted by ばーりさ at 14:14| その他

2016年04月14日

肥前鹿島の小冊子(守屋)

干潟関係でお世話になったこともある佐賀県鹿島市ラムサール条約推進室さんから、しゃれた冊子をいただきました。

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鹿島の魅力を伝えるものなんですが、この冊子を読むと森から海にかけて水の豊かな街なのだとわかります。
ラムサール条約と東アジアフライウェイの登録湿地である肥前鹿島干潟(鹿島新籠)の紹介もあります。

ラムサール条約登録を機に官民挙げて、ワイズユースに取り組む姿勢に個人的に注目してます。
自然とそこに生活する人が地域の資源となるエコツアーが根付いて欲しいですね。

また行きたいです。仕事じゃなく観光で!
posted by ばーりさ at 16:08| その他