2019年04月09日

バードウォッチングのススメ(守屋)

いろいろな鳥がさえずる季節になってきました。

鳥の名前がわかれば楽しいのですが、鳥の名前を覚えるのはちょっと時間がかかりますよね。ただ、コツもあります。
以下は、一歩踏み込んで野鳥の観察を始めて、独りで探鳥へ行けるぐらいを目指している人へ向けたアドバイス用に作ったメモです。双眼鏡と図鑑があれば始められ、始めるにはよい時期です。ご参考に。

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『独りで探鳥へ行けるぐらいを目指している人へ』

■観察しやすい種類をまず目標にする(100種ぐらい:地域によって見やすい鳥は違います)
【参考】
・水辺の鳥
カイツブリ,オオミズナギドリ,カワウ,ダイサギ,チュウサギ,コサギ,アオサギ,ゴイサギ,キンクロハジロ,スズガモ,マガモ,コガモ,ヒドリガモ,オナガガモ,カルガモ,バン,オオバン,コチドリ,イカルチドリ,メダイチドリ,シロチドリ,ダイゼン,キョウジョシギ,トウネン,ハマシギ,ミユビシギ,キアシシギ,イソシギ,オオソリハシシギ,チュウシャクシギ,コアジサシ,ユリカモメ,ウミネコ,セグロカモメ,カワセミ

・森や草原の鳥
ミサゴ,トビ,ノスリ,チョウゲンボウ,キジ,コジュケイ,ヒメアマツバメ,キジバト,アオバト,ホトトギス,カッコウ,アオバズク,アマツバメ,アオゲラ,コゲラ,ヒバリ,ツバメ,コシアカツバメ,イワツバメ,キセキレイ,ハクセキレイ,セグロセキレイ,ヒヨドリ,モズ,ヤブサメ,ウグイス,オオヨシキリ,センダイムシクイ,セッカ,イソヒヨドリ,キビタキ,オオルリ,エナガ,ヒガラ,ヤマガラ,シジュウカラ,メジロ,ホオジロ,アオジ,カワラヒワ,スズメ,ムクドリ,カケス,ハシボソガラス,ハシブトガラス

■図鑑を読む。
・図鑑はお気に入りを作っとこう。ただし、書き込んだりできるように1冊つぶす覚悟で。
・ここを見れば間違いない種の特徴(姿とか柄)をまず覚える(シジュウカラの胸のネクタイ柄とか)。
・混乱しそうな種(類似種)はチェックしておく。
・よく似た種にどんな鳥がいるか比較して特徴を覚える。
・鳥の季節性(そこには夏いるのか冬いるのか、旅鳥か)、国内の分布、どんな環境にいる鳥か。特徴的な行動があるか?を知る。
・見たい鳥を作っておこう。
   
■探鳥会や調査に参加してベテランや仲間と探鳥する。
・最初は感覚的じゃなく、明確に教えてくれる人、特徴を説明してくれる人がよい。
・探し方やどんな環境にいるのか、普通に見れる種か珍しい種かも聞いておこう。
・自分が質問しやすい人をみつけておこう。仲間がいると続けやすい。
・ついでにマナーも教わっておこう。

■マイフィールドを作る。
・よく通える場所がよい。森でも林でも海でも池でもよい。
・だいたいの散策路・観察ポイントを決める。
・最初は時間をかけて観察しよう。気になる鳥がいたら、引き返して見ておこう。次に会える機会はないと思っとこう。
・フィールドノートをマメにつけよう(どこで、いつ、何をだけでも良いが、情報が多いと思い出しやすい。何羽いたか、何をしていたか、その時の天気は、環境はどんな所だったろうか)
・慣れてきたらマイフィールドで、時間や範囲、距離を決めて簡単なセンサスを継続してみよう。
・センサスをまとめてみよう、あなたのマイフィールドは、どの時期にどんな鳥が多いのですか?そこの場所の特徴は?ほかの場所と比べてみて何か違う?

■わからない鳥に気づく
・よくいる種類の大きさや姿を注意深く観察しておこう(写真やスケッチ、録音もよい)。
・わからない鳥の鳴き声を聞いたら立ち止まって探してみよう。最初は姿が見えるまで粘っておこう。
・普段いる鳥とは声や姿、”なにか”違うことがわかるようになることが大切。

■自信がついたら(ついてなくても)マイフィールドとは違った環境へ出かけよう。
・有名な探鳥地などをネットで探索、さまざまな探鳥会にも参加してみよう。
・できるだけ自分で探して、識別してみる。
・よくわからなかった種は記録、写真、録音などして聞いておこう。
・見たい鳥を見るにはどうしたらよいか考えよう。時期は?どこに行けば?どんな環境にいけば見つかるだろうか。

■さらなる上達のために
・常に最新の情報を気にしておこう。
・環境を見て、どんな鳥がいそうか想像してみよう。
・フィールドで見た観察を大事に、図鑑を疑ってみることも必要。
・自分だけの識別ポイントをみつけてみよう。

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近道はないかもしれませんが、マイペースでじっくりと取り組んでみてください。

ぐっど バードウォッチング!


posted by ばーりさ at 13:38| その他

2019年03月07日

生物多様性のための農業(守屋)

「生物多様性のための農業環境支払い国際シンポジウム」というのに参加するため法政大学に行ってきました。

キャンパスがビルなんてかっこいい...。

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生物多様性のための農業環境支払いというのは、農業は景観や生物の生息地も提供することがあります。
そういった多面的機能を活用するために、自然環境や生物多様性のためになる活動に対してお金を支払いましょうという取り組みです。

独キール大学のローマン教授がお話しされたEUの農業環境政策についての内容だと、地面に巣をつくる鳥類に対して、刈り取り時期のをずらしたり、放牧の密度を減らしたり、農薬を使わなかったり、タゲリやヒバリ用の区画を創出するなど農業が自然環境の保全に利することを対象にしていました。

また支払いに関しては、ヒバリ用の区画の整備は1ha/18ユーロとか、ヒナ1羽を巣立たせたら150ユーロなど取り決めも具体的で、しかも、実際にヒバリが使ったりヒナが巣だったりした結果がないと支払われない仕組みだそうです。面白いですね。

日本の農政にも環境型直接支払制度というのがあり、生態系保全の活動で助成が得られるのですが、草花の植栽や清掃などでも受けられるため、活動の複雑な生態系保全活動はあまり行なわれていないようです。確かに生態系保全活動をやれといわれても何をするかは悩みますね。私なら、なつみずたんぼや ふゆみずたんぼ、素掘り水路の維持管理などを行ってほしいと思いますが、そもそも知らなければ無理でしょう。環境NPOなどが農家と共同で活動できる仕組みがあるといいのかもしれないと思いました。

タマシギの親子を見つけたら、その水田の持ち主に10,000円とかどうでしょう。
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posted by ばーりさ at 22:28| その他

2018年08月19日

季節前線ウォッチのフォームが使いやすく!

東京はここ数日,涼しくなってきて,秋の雰囲気を感じられるようになっていました。モズの高鳴きそろそろじゃないかと思っていましたら,九州で聞かれ始めたようです。熊本と大分から情報が届きました。九州は早いんですよね。

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季節前線ウォッチで情報を送るとき,地図から場所を選ぶのがちょっと面倒だと感じたことないですか?とくにスマホで現地で聞いたときには,地図から場所を選ぶんじゃなくて,「ここで聞いたんだよ」と簡単に送れると楽ちんです。

できるようにしました。


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地図の下の「現在地へ移動」のボタン押してください。地図が勝手に動きます。
地図が自動で拡大して,位置をしっかり確認できたら完璧ですが,そこまでできてません。完璧じゃないところがバードリサーチらしいということでお許しください。
信用いただいて送っていただくか+ボタンをおして,地図を拡大してください。そんなことすると地図の位置がずれてしまいますが,そんな時は,「現在地へ移動」のボタンを再度押せばOK。

ぜひこのフォームを使って,情報お寄せください。

posted by ばーりさ at 17:43| その他

2018年08月01日

識別と機械学習

Googleが今年1月に「Cloud AutoML Vision」という、専門知識がなくとも画像認識の機械学習ができるサービスを発表しました。当時は限定ユーザーのアルファ版だったのですが、この7月下旬にベータ版に更新され、一般ユーザーでも利用できるようになったので今回試してみました。

コンピュータに画像に何が写っているか判別させることを画像認識というのですが、それを行うためにはコンピュータにいろいろなものを覚えてもらわないとなりません。そのためのプログラミングには高度な専門知識が必要です。今回のGoogleのサービスは、判別のための画像データ(写真)とそれが何かラベルをつけるだけで、判別のモデル式(分類器)を作成してくれるというものです。

サンプルにはお花の画像が大量に入っていたのですが、そこはバードリサーチなので身近な鳥の判別モデルを作ろうと試しました。コンピュータの学習のために、シジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、エナガ、メジロ、ウグイス、ヒヨドリなどの画像を各種100-200枚用意しました。ちなみに推奨は1種1000枚以上です。学習教材が多ければ多いほど、様々なパターンを学習し判別率は向上します。
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画像を登録してTRAINボタンを押すと学習が始まります。コンピュターは画像を読み込み、10分ほどでモデルを作り上げました。
検定率は、以下のようになりました。
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メジロは100%の識別ができて、シジュウカラは89.7%、ヒガラやメジロと誤ったようです。ウグイスは77.8%、なぜかヒヨドリやエナガと間違えています。地味だから特徴がないからでしょうか。

先日来設置している水場カメラ(Twitter: @CameraMoriya )の写真から、シジュウカラやメジロの写真を使って、この判別モデルがどれだけ使えるか試してみました。

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82.6%でメジロー正解

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87.5%でシジュウカラーぶれてるのに正解

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72.0%でヒガラー不正解

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判定不能?シジュカラ幼鳥は無理だったか。

しかし、鳥をトリミングしてみると、判別率が上がりました。
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96.7%でシジュウカラ!

コンピュータに教え込むべき画像のパターンを増やしたり、背景と切り離したりと、まだまだですが今後データを積み重ねたり、入力を工夫すれば、実用に耐えるものになるかもしれません。

ちなみに海外では、Merlin Photo IDといった画像判別のアプリもリリースされています。
日本でもAIが野鳥判別の一助となってくれる日も遠くないかもと思いました。
posted by ばーりさ at 16:12| その他

2018年02月08日

アオジの足環の文字を写真から読み取れました

バードリサーチの会員で、大分県にお住まいの池永祐二さんから足環が写ったアオジの写真が届きました。金属足環は山階鳥類研究所の標識調査に参加しているボランティア(バンダーと呼ばれています)の皆さんが、全国各地で装着しているものです。

秋の渡り時期にアオジが多い北海道の浜頓別で標識調査をしている小西敢さんに写真を見てもらったところ、「2AG-21610」と読み取ることができました。大型の鳥の足環は写真から読み取れることもありますが、小鳥の足環の刻印を読み取ることができたのは珍しいと思います。

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足環の付いたアオジ(撮影 池永祐二)

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4枚の写真に写っていた足環を並べると、「2AG-21610」と読める。

追伸(2018-02-13)
 池永さんが山階鳥類研究所に照会したところ、この足環を装着したのは刻印を読み取っていただいた小西さんご自身であることが分かりました!
posted by ばーりさ at 12:57| その他