2021年12月14日

日本野鳥の会のとっておきの野鳥の授業 日本野鳥の会編 上田 恵介監修 山と渓谷社

日本野鳥の会の会報である「野鳥」誌は、野鳥の会創設時から発刊されていて、野鳥に関するあらゆる話題を取り扱っています。2024年に創刊90周年になるそうです(ちなみにバードリサーチは、2024年で20周年です)。

IMG_2648.jpg
本書は、ここ10年の間に野鳥誌で組まれた特集から選りすぐりの研究や保護に関する話題をとりあげています。
内容は、カッコウの托卵やモズのはやにえ、シジュウカラの言語などの不思議な生態、機能的な体の構造のこと、衛星発信器による追跡や、海鳥のバイオロギングのような近代の調査技術、シマアオジやシマフクロウなど野鳥の会が後押しする保全活動などなど、読み終わるころには現在の野鳥に関する知識を幅広く得ることができそうです。 

執筆陣も豪華で、こんな授業受けてみたいですね。
(どうですかね。毎週この本を教科書に順番でオンライン講座を開いてくれないですかね)

どこから読み始めてもよく、長すぎずまとめられていて内容も分かりやすいです。より深く野鳥の事を知りたい人にとって最適な入口かもしれません。
ぜひ年始休みに読んでみてはいかがでしょうか。


【内容】
第1章 深遠なる鳥たちの行動と生態
第2章 鳥たちの驚異の仕組みとチカラ
第3章 野鳥保護最前線 日本野鳥の会の取り組み

【定価】
1980円
posted by ばーりさ at 16:13| 書籍紹介

2021年12月12日

鳥になるのはどんな感じ? 川上和人/監訳・解説 嶋田香/訳 羊土社

鳥になるのはどんな感じ? 見るだけでは物足りないあなたのための鳥類学入門
デビット・アレン・シブリー/著
川上和人/監訳・解説  嶋田香/訳
3,400円+税10%
羊土社


S25C-921121210150.jpg


伊豆沼の嶋田さんの奥さんが翻訳し,あの川上さんが監訳・解説をした本をいただきました。
ありがとうございました。

開くと,鳥の絵がでかくてインパクトあるな,と最初に思います。解説を見ていると,ほぼ実物大に描かれているそうです。最初の方のページは体の大きい水鳥なので,あふれんばかりのインパクトのある絵になるわけですね。

タイトルに「見るだけでは物足りないあなたのために」とあるように,一見,図鑑ぽく見えるのですが,内容は,全く異なります。形態から,生理,生態,保護まで多岐にわたるトピックが書かれていて,なかなか勉強になります。

アメリカの本だけに,出てくる鳥がなじみのない鳥なのが,ちょっと親しみの面からちょっと難がありますが,それを差し引いてもよい本だと思います。観察会のときのネタ本にも。

書店で見かけたら,ぜひ開いて見てみてください。
posted by ばーりさ at 16:39| 書籍紹介

2021年10月07日

「カモ学講座」嶋田哲郎 著/森本元 監修 緑書房

宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎さん(伊豆沼のサンクチュアリセンターへ行くとお目にかかれます)が「カモ学」という本を出版されました。カモ学は嶋田さんの造語ですが、カモだけの話ではなく、カモ科(カモ、ガン、ハクチョウ)ぜんぶを解説している本です。こういうスタイルは生きもの本では珍しくて、特定の種について詳しく書いた本はありますが、タカ学とかツル学という解説書はたぶんなかったと思います(あったら著者の方ごめんなさい)。
そんなわけで「カモ学」は、このガンや、あのハクチョウだけでなく、冬になると水に浮かんでいる丸っこい鳥ぜんぶを知りたいんだ、という圧倒的多数のバードウォッチャーの皆さんにお応えできる本だと言えるでしょう。
内容はまず、カモ、ガン、ハクチョウというカモ科御三家の特徴にはじまり、それぞれの食物や採食行動、渡りコース、繁殖形態、越冬地での行動と至極網羅的に進みます。これらのページは「解説」に徹して次々と事実が述べられていく感がありますが、読み進んでいくと終盤の「ガンカモ類の保全」の章では調子が変わってきて、著者の実体験から熱のこもった問題と対策のありようが語られます。この章では嶋田さんの人柄が感じられると思います。
「カモ学講座」は本日発売です!

帯無し ウェブ用.jpg

posted by ばーりさ at 18:18| 書籍紹介

2021年07月25日

北海道の猛禽類2020年版

北海道の猛禽類2020年をご寄贈いただきました。ありがとうございました。

ちょうど,先月買っていたので,ちょっと残念。

S25C-921072516110.jpg

冊子ではなく,DVDで出版になってます。

北海道開発局などの事業の調査結果をまとめたものです。こういう事業を含めたアセスメント調査のデータが猛禽類の情報としては,もっとも多い,重要なものですが,その多くはそのまま埋もれていってしまっているのですが(アセスメントという目的は果たしているのですが,それでももったいない),こうした形で発行されたり,一部は,最近は論文化して,発表もされているので,こうした流れが進むといいですね。

クマタカ,オオタカ,ハイタカ,ハチクマ,オジロワシ,ハヤブサの情報や,保全対策の情報が掲載されています。
ぼくのPC環境の問題かもしれませんが,表をそのままコピペできると,いろいろデータをいじれていいな,と思ったのですが,コピペはできないようで,せっかくのDVDなのにちょっと残念。

興味ある方は,2000円プラス送料で以下から購入することができます。


posted by ばーりさ at 16:35| 書籍紹介

2021年07月19日

鳥類のデザイン 骨格・筋肉が語る生態と進化

「鳥類のデザイン 骨格・筋肉が語る生態と進化」という書籍を進呈していただきました。ありがとうございました。
S25C-921071412370.jpg

鳥類のデザイン
骨格・筋肉が語る生態と進化
THE UNFEATHERED BIRD

著者 カトリーナ・ファン・グラウ
監訳者 川上和人
訳者 鍛原多惠子
定価6,930円 (本体:6,300円)
ISBN978-4-622-08989-6


 この本の原題は「THE UNFEATHERED BIRD」といい、著者は、カトリーナ・ファン・グラウさんという方です。本を完成させるのに25年もの年月がかかったそうで、とてもボリュームのある本になっています。
 この本では、様々な鳥類の骨格や筋肉のイラストが掲載されていますが、独特なイラストで、飛行や歩行など動いているときの姿で描かれているものも多くあります。イラストを見ているだけでも楽しめますが、解説文もあります。

DSC_0867.jpg
ミヤマガラスのイラスト。左から「皮膚なし」「羽毛なし」「骨格」

 私たちは普段から調査などで野鳥を観察していますが、体の中はどうなっているのかは観察だけでは分かりません。例えば、この本の表紙に描かれている鳥は、日本にもいる野鳥ですが、これが何なのかわかる人は決して多くないと思います(正解は本文の下に書いておきました)。因みに私も最初は分かりませんでした。
また、骨格標本であれば、自然科学系の博物館で見学することができるかもしれませんが、皮膚ななくて、筋肉や器官がついている状態は、中々見ることはできないと思います。そう言った部分を見ることができるのは、この本の魅力の1つではないかと思います。
 そして、個人的に「お!」って思ったのが骨盤のイラストです。鳥類の骨盤は、大腿骨と接している部分に穴が開いています。この部分を「寛骨臼(かんこつきゅう)」といいます。なぜここに注目したかというと、「寛骨臼に穴が開いている」という特徴は、恐竜の最大の特徴の1つでもあるからです。やはり鳥は恐竜の一員なんだと改めて感じさせられました。
 ほかにも様々な鳥の骨格や筋肉のイラストと、解説が掲載されています。興味を持たれた方は、出版社のHPをのぞいてみてください。
山ア優佑 バードリサーチ嘱託研究員

出版社のHP




正解:ノスリ


posted by ばーりさ at 17:37| 書籍紹介