2022年01月05日

『山口県版鳥類繁殖分布調査報告書2017』などを頂きました

日本野鳥の会山口県支部より、『山口県版鳥類繁殖分布調査報告書2017』、『山口県版鳥類繁殖分布調査報告書2017(種別解説編)』、『山口野鳥 第52号』を頂きました。
山口県支部では、1990年、2008年にも鳥類の繁殖分布調査報告書を作成しており、2016年と2017年の今回が3回目の調査報告です。
国土地理院の2万5千分の1地図を縦横に等分してサブメッシュを作成し、315サブメッシュでラインセンサスによる現地調査を実施して、過去2回の調査との比較をされました。
『山口県版鳥類繁殖分布調査報告書2017(種別解説編)』には、種ごとに山口県における生息状況やその変化、繁殖例などの非常に充実した記録がまとめられています。全国鳥類繁殖分布調査では収集されきれなかったと思われるデータも多く載っており、地域に密着して鳥を観察する人、その記録をまとめる人の距離の近さと層の厚さを感じました。

個別の種では、全国の傾向と同じくソウシチョウやガビチョウの分布拡大が見てとれました。山口県は西日本の中ではソウシチョウの拡大が遅く、ガビチョウもまだ遠い存在だったのですが、ついに入ってきて増えているようです。山口県出身の私としても、馴染んだ音環境が変わっていくのだろうかと心配になりながら読みました。

『山口野鳥 第52号』にはいろいろな鳥の報告などが載っていますが、特に山本尚佳さんの「生態写真の撮影にハマった!」や調査研究部による「続 頭かき図鑑」が面白くてご紹介します。
「生態写真の撮影にハマった!」は、野鳥観察から入って撮影も始められた山本さんが、警戒されない距離でじっくりと鳥を観察しながら、鳥が見せてくれるいろいろな行動を撮り溜めたものです。潮汐に合わせて「休息」のタイミングで撮影したものや、マガンとシジュウカラガンがいがみ合っている「異種間の争い」など、ゆっくりと鳥をみる面白さが詰め合わせになったような内容でした。
「続 頭かき図鑑」は、いろいろな鳥が頭をかいている写真がひたすら掲載されているページです。ここでは、普通に頭をかく「直接頭かき」と、翼越しに頭をかく「間接頭かき」について、どの分類群の鳥がどんなかき方をするかをまとめてあります。写真もたくさん掲載されていて、写真を見比べるだけでも楽しいものです。こうした記録は、山口県支部野鳥観察データベースに掲載されているものから抽出されたものだそうで、他にも色々な行動が掲載されているようです。こんなに充実したデータベースがあるのかと驚きました。

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posted by ばーりさ at 14:26| 書籍紹介

2021年12月14日

日本野鳥の会のとっておきの野鳥の授業 日本野鳥の会編 上田 恵介監修 山と渓谷社

日本野鳥の会の会報である「野鳥」誌は、野鳥の会創設時から発刊されていて、野鳥に関するあらゆる話題を取り扱っています。2024年に創刊90周年になるそうです(ちなみにバードリサーチは、2024年で20周年です)。

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本書は、ここ10年の間に野鳥誌で組まれた特集から選りすぐりの研究や保護に関する話題をとりあげています。
内容は、カッコウの托卵やモズのはやにえ、シジュウカラの言語などの不思議な生態、機能的な体の構造のこと、衛星発信器による追跡や、海鳥のバイオロギングのような近代の調査技術、シマアオジやシマフクロウなど野鳥の会が後押しする保全活動などなど、読み終わるころには現在の野鳥に関する知識を幅広く得ることができそうです。 

執筆陣も豪華で、こんな授業受けてみたいですね。
(どうですかね。毎週この本を教科書に順番でオンライン講座を開いてくれないですかね)

どこから読み始めてもよく、長すぎずまとめられていて内容も分かりやすいです。より深く野鳥の事を知りたい人にとって最適な入口かもしれません。
ぜひ年始休みに読んでみてはいかがでしょうか。


【内容】
第1章 深遠なる鳥たちの行動と生態
第2章 鳥たちの驚異の仕組みとチカラ
第3章 野鳥保護最前線 日本野鳥の会の取り組み

【定価】
1980円
posted by ばーりさ at 16:13| 書籍紹介

2021年12月12日

鳥になるのはどんな感じ? 川上和人/監訳・解説 嶋田香/訳 羊土社

鳥になるのはどんな感じ? 見るだけでは物足りないあなたのための鳥類学入門
デビット・アレン・シブリー/著
川上和人/監訳・解説  嶋田香/訳
3,400円+税10%
羊土社


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伊豆沼の嶋田さんの奥さんが翻訳し,あの川上さんが監訳・解説をした本をいただきました。
ありがとうございました。

開くと,鳥の絵がでかくてインパクトあるな,と最初に思います。解説を見ていると,ほぼ実物大に描かれているそうです。最初の方のページは体の大きい水鳥なので,あふれんばかりのインパクトのある絵になるわけですね。

タイトルに「見るだけでは物足りないあなたのために」とあるように,一見,図鑑ぽく見えるのですが,内容は,全く異なります。形態から,生理,生態,保護まで多岐にわたるトピックが書かれていて,なかなか勉強になります。

アメリカの本だけに,出てくる鳥がなじみのない鳥なのが,ちょっと親しみの面からちょっと難がありますが,それを差し引いてもよい本だと思います。観察会のときのネタ本にも。

書店で見かけたら,ぜひ開いて見てみてください。
posted by ばーりさ at 16:39| 書籍紹介

2021年10月07日

「カモ学講座」嶋田哲郎 著/森本元 監修 緑書房

宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎さん(伊豆沼のサンクチュアリセンターへ行くとお目にかかれます)が「カモ学」という本を出版されました。カモ学は嶋田さんの造語ですが、カモだけの話ではなく、カモ科(カモ、ガン、ハクチョウ)ぜんぶを解説している本です。こういうスタイルは生きもの本では珍しくて、特定の種について詳しく書いた本はありますが、タカ学とかツル学という解説書はたぶんなかったと思います(あったら著者の方ごめんなさい)。
そんなわけで「カモ学」は、このガンや、あのハクチョウだけでなく、冬になると水に浮かんでいる丸っこい鳥ぜんぶを知りたいんだ、という圧倒的多数のバードウォッチャーの皆さんにお応えできる本だと言えるでしょう。
内容はまず、カモ、ガン、ハクチョウというカモ科御三家の特徴にはじまり、それぞれの食物や採食行動、渡りコース、繁殖形態、越冬地での行動と至極網羅的に進みます。これらのページは「解説」に徹して次々と事実が述べられていく感がありますが、読み進んでいくと終盤の「ガンカモ類の保全」の章では調子が変わってきて、著者の実体験から熱のこもった問題と対策のありようが語られます。この章では嶋田さんの人柄が感じられると思います。
「カモ学講座」は本日発売です!

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posted by ばーりさ at 18:18| 書籍紹介

2021年07月25日

北海道の猛禽類2020年版

北海道の猛禽類2020年をご寄贈いただきました。ありがとうございました。

ちょうど,先月買っていたので,ちょっと残念。

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冊子ではなく,DVDで出版になってます。

北海道開発局などの事業の調査結果をまとめたものです。こういう事業を含めたアセスメント調査のデータが猛禽類の情報としては,もっとも多い,重要なものですが,その多くはそのまま埋もれていってしまっているのですが(アセスメントという目的は果たしているのですが,それでももったいない),こうした形で発行されたり,一部は,最近は論文化して,発表もされているので,こうした流れが進むといいですね。

クマタカ,オオタカ,ハイタカ,ハチクマ,オジロワシ,ハヤブサの情報や,保全対策の情報が掲載されています。
ぼくのPC環境の問題かもしれませんが,表をそのままコピペできると,いろいろデータをいじれていいな,と思ったのですが,コピペはできないようで,せっかくのDVDなのにちょっと残念。

興味ある方は,2000円プラス送料で以下から購入することができます。


posted by ばーりさ at 16:35| 書籍紹介