2020年02月29日

中央公園2月29日調査報告

どんよりとした曇り空。
公園を散歩する人たちの数もいつもよりだいぶ少なめです。
これも新型コロナウイルスの影響??

今冬は公園敷地内にモズが雄2羽雌1羽、縄張りを占有しています。
今朝も雄たちはお気に入りの場所で小声でぐぜっていました。
2006年には公園の茂みでヒナ3羽が巣立ちしました。
そろそろ巣造りの季節。
久しぶりに公園で営巣するのでしょうか。

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  (池の縁の枝でぐぜるモズの雄)

日本庭園ではウグイスの囀りが聞こえてきました。
初鳴きです。
多い時は4、5羽の生息を記録するウグイス。
例年、BRの季節前線ウォッチの記録より初鳴きが遅いように思われます。
なぜなのか気になります。

さて、今日で2月も最後です。
秋、カエデなどの木の実も多く、冬鳥たちの群れを期待してわくわくしていました。
しかし、アトリは11月に1、2度姿を見ただけ。
シメも今日は13羽が記録されたものの昨冬に比べると少数です。

そこで、過去のアトリとシメの記録状況を見返してみました。
下の図は12月から2月の年毎のアトリの最多個体数の経年変動をまとめたものです。

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     (2005年から2019年冬のアトリの変動)

これを見るとアトリは3年あるいは4年間隔で群れが飛来しているようです。
公園のカエデはほぼ1年ごとに豊凶を繰り返しています。
個体数の多かった15年冬はカエデが豊作でしたが、18年冬は不作でした。
アトリの渡来状況と公園のカエデの実の豊凶とは必ずしも一致していないようです。

数日前、栃木県北部の山地を訪れたときのこと。
林の地上に30羽ほどの群れが採食していました。
林には雪はまったくありません。
とすると、暖冬で山に雪がないために市街地に降りてこないのかもしれません。

一方、13年冬や今冬など例外もありますが、シメが多い冬は公園の木の実が豊作です。

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       (シメの最多個体数の経年変動)

今冬は山地林のシデやカエデ類の木の実も豊作のようです。
とすると、アトリ同様に市街地の公園に降りてきていないのかもしれません。

調査結果を見ながら一喜一憂し、変動について考えるのも楽しいものです。
少し早すぎるかもしれませんが、今から来年の冬が楽しみです。

参加者4名 記録種数20種 記録個体数156羽
なお、3月は新型コロナウイルスの感染拡大の恐れがあるためお休みです。
担当:BR平野










posted by ばーりさ at 15:12| みにクル報告(宇都宮)

2020年02月08日

2月8日中央公園調査報告

暖冬に慣れた体には寒さがこたえる朝。
集合場所の沈床池も全面凍結です。
鳥たちも寒さのせいか少なめです。

それでも身近な鳥たちが楽しませてくれました。
このところ数が少なかったメジロ。
今朝はシジュウカラの群れとともに木々の間を忙しげに動き回っていました。

見ているとヤツデに集まってきました。
多い時には5、6羽がとまることも。
花のあとの若い実にくちばしを差し込んでいるようです。
残った蜜を飲んでいるのでしょうか?

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     (ヤツデに集まるメジロたち)

いつもアオジやジョウビタキがみられる住宅との境の生垣。
今朝はシジュウカラの群れが鳴きながら集まっていました。
と、近くの枝にモズの雄の姿が。
どうも、シジュウカラはモズを警戒していたようです。

調査終盤ではオナガの小群と遭遇。
少なくとも8羽を確認しました。
ユリノキの幹に数羽が集まってはキョロキョロ。
樹皮や樹洞に隠れている虫たちを探しているようです。

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  (樹皮の下からクモを捕らえたオナガ)

夏の間、この公園では普通の住人のオナガ。
しかし、秋から冬はほとんど姿を見ません。
巷では減っているのではとの話も聞こえてきます。

そこで、03年から18年までの16年間の1年ごとの記録率の変化まとめてみました。
記録率は、16年から低くなっています。
しかし、同様の変化は05〜07年でも見られています。
そのため、今のところ生息状況が悪化しているのかどうか判断できません。

2020208_onagakirokuritu.jpg
  (2003年から18年度までのオナガの記録率の推移)

今シーズンの調査はあと7回。
19年度はどのような結果になるのか楽しみです。

解散後、1羽のキジバトが枯れ枝をくわえては木の又に入っていくのを観察しました。
キジバトは冬でも繁殖する鳥です。
寒さに負けず、繁殖に成功すると良いのですが…。

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      (巣材を運ぶキジバト)

参加者:6名 記録種20種 記録個体数144羽
次回は2月15日午前7時からです。担当:BR平野





posted by ばーりさ at 12:16| みにクル報告(宇都宮)

2020年02月01日

2月1日中央公園調査報告

今日は2月最初の調査日です。
昨日よりはやや寒いものの、この季節としては暖かな朝です。
公園の南側の民家の梅も、早、白い花がたくさん咲いていました。

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      (早くも咲き誇るウメ)

集合場所付近では、池の縁で2羽のシロハラが争っていました。
その争いに興奮したのでしょうか。
対岸に別の1羽が現れ、うるさく鳴いていました。

このところ姿のなかったジョウビタキの雄。
お気に入りのツツジの生垣の地上で食べ物を探していました。

先週よりさらに水が減った大池。
今日は、珍しくカワウが1羽降りていました。
水が減って魚が獲りやすくなったのでしょう。
人の目を気にしながら頻りに深みで潜水を繰り返していました。

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      (底が現れはじめた大池)

カワセミは水が減ってやや元気がない様子。
いつもより高い枝にとまって池を睨んでいました。
夏から私たちの目を楽しませてくれたカワセミ。
もう少しでお別れです。

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  (池の縁のヤナギの枝から魚を狙うカワセミ)

植え込みの地上で採食するツグミの姿も。
毎朝、傍らを多くの人たちが散策する公園。
もう、慣れてしまったのか、数メートル先で落ち葉を掻きわけていました。

終盤では、ケヤキの樹冠から春告げ鳥?の鳴き声も聞こえてきました。
今朝は個々の種の個体数こそ少なかったものの、結構楽しめました。

参加者3名 記録種数24種、記録個体数156羽
次回は2月8日午前7時からです。担当:BR平野






posted by ばーりさ at 11:58| みにクル報告(宇都宮)

2020年01月25日

1月25日中央公園調査報告

穏やかな暖かい朝。
シメの鳴き声がユリノキの並木から聞こえてきます。
ただ、昨冬に比べるとこの時期でも冬鳥たちは少なめです。

大池も定期清掃の準備中。
排水が始まったようで、池の水位も低くなってきました。
8月から毎回愛らしい姿を見せてくれたカイツブリ。
今日は姿がありませんでした。
水位が低くなったせいかもしれません。

日本庭園ではエナガやシジュウカラ、メジロが群れていました。
都市公園の良さは間近で小鳥たちをみられること。
今朝も目の前でサザンカの蜜を吸うメジロが見られました。

3羽で追いかけ合っているのはシジュカラ。
1mほどのところを猛スピードで通過。
ぶつかるかと思うほどでした。

木々の枝には愛らしいエナガたちの姿が。
10羽の群れのようです。

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     (枝先で採食するエナガ)

この公園ではエナガはよく見られる鳥のひとつです。
しかし、この調査を始めたころはほとんど記録されませんでした。
下の図は、2003年から昨年度までのエナガの年ごとの記録率の推移です。

200125_kiroku_enaga.jpg
  (2003年度から18年度までのエナガの記録率の推移)

2008年ごろまでは記録率はせいぜい0.3程度でした。
しかし、徐々に記録率が増加し、最近では記録率が0.7に届くほどです。
2009年以降は繁殖も毎年確認されています。
こうした傾向は、別の小規模な都市公園でも記録されています。

周囲の平地林が減少し、市街地へ出てきたのでしょうか。
それとも公園の樹木が成長したせいでしょうか。
愛らしい姿が身近にみられることに喜ぶとともその理由が気になります。

来週は早くも2月です。
エナガも群れを解いてつがいで行動しはじめる季節。
今年も公園内で営巣することでしょう。
昨年は失敗しヒナは観察できませんでした。
今年はぜひ成功してほしいものです。

参加者:4名 記録種数:22種 記録個体数:172羽
次回は2月1日午前7時からです。担当:BR平野






posted by ばーりさ at 12:17| みにクル報告(宇都宮)

2020年01月11日

中央公園1月11日調査報告

厚い雲が空を覆う薄暗い朝。
鳥も人もテンション低め。
公園の鳥たちは例年になく少なめです。

それでも集合場所をオナガの1群が通過していきました。
約2か月ぶりの記録です。
春から初夏にかけては毎回記録されるオナガ。
しかし、秋から冬はほとんど記録されません。
群れで広範囲を移動するためかもしれません。

やっとここに来て冬鳥の姿が目に付くようになりました。
ユリノキのてっぺんではシメが鳴き交わし、飛び交う姿も。
今朝は少なくとも13羽が記録されました。

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    (イチイの低木で地上を伺うシメ)

今冬はカエデの実が豊作です。
どの木もびっしりと実がついています。
前回の当たり年の15年冬や17年冬もシメが多い冬でした。
これらの年でシメが増えたのは1月下旬になってからです。
とすると、今冬も今後大きな群れが記録されるかもしれません。

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     (たくさんの実が付いたカエデ)

シロハラもあちらこちらで鳴き声が聞こえていました。
少なくとも5羽を記録しました。

一方で、イカルやアトリの姿はありません。
カワラヒワも少なめです。
アキニレで採食していたカワラヒワは12羽だけでした。

今のところ県内の山地の山には雪がほとんどありません。
そのため、山地の林や北日本から飛来していないのかもしれません。
今後の推移を楽しみにしたいと思います。
「いない」という結果も貴重な記録です。

参加者7名 記録種数22種 記録個体数150羽
次回は1月18日午前7時からです。担当:BR平野



posted by ばーりさ at 12:04| みにクル報告(宇都宮)