埼玉県秩父,富士山中湖,長野県志賀高原,北海道富良野を日替わりで聞き取る森の鳥の聞き取り調査。本日で3か月の調査が終了しました。参加者はレギュラーメンバーが6名でプラスアルファという感じで実施していました。参加いただいた皆様,お疲れ様でした。
今年のトピックスは以下のような感じでした。
埼玉県秩父シカの影響で下層植生がほとんどない調査地ですが,近年,ウグイスが聞かれたり,コルリも聞かれる機会が増えるなど,下層植生を利用するような鳥が,徐々に増えている傾向がありました。ただ,今年はその傾向が,元に戻ってしまったような感じで,ウグイスも1回しか聞かれず,コルリの頻度も低い状況でした。
秩父でのコルリの記録頻度。赤が今年の結果一時的な揺り戻しなのか,この傾向がなくなってしまったのか,来年以降も注意して聞いていこうと思います。なお,それ以外の傾向としては,メジロなど暖かい地域の鳥の増加がありますが,この傾向は進んでいるようでした。
富士山中湖ホトトギスがあまり聞かれなかったのが,気になったところでした。
山中湖でのホトトギスの記録頻度。赤が今年の結果山では減少傾向にあり,ウグイスの減少と関連していると考えられていますが,ここでもシカを見る頻度は増えているものの,ウグイスの減少はそれほど顕著でもないので,同じような状況にあるのかはわかりません。マイクのある場所は道のすぐわきでシカの影響が出にくい場所ではあるので,もっと森の中の方はウグイスの減少が顕著で,それがホトトギスの減少に影響しているのかもしれません。そういうところは,1点のみのモニタリングの弱点かもしれませんね。
長野県志賀高原今年はクロジのソングポストがマイクのそばにあったのか,さえずりが良く聞こえたのが特徴でした。ただ,距離が近かったので,そんな印象を持つだけで,特に例年と頻度が違うわけでもないですね。
志賀高原でのクロジの記録頻度。赤が今年の結果また,6月下旬になってから,調査終了間際の時間帯に,毎回エナガの家族がやってくるのが印象的でした。エナガの群れに囲まれている感じは,無人マイクでないとできない経験でした。
再生できない場合、ダウンロードは🎵
こちら 北海道富良野富良野のマイクが不調で,6月はじめで聞き取りができなくなってしまいました。ちょうどその頃にヒガラが例年と違い,ほとんどさえずりが聞かれなくなってしまっていたので,何が起きているのか(あるいは,たまたまさえずらない日があっただけなのか)知りたかったのに,残念でした。来年は復活してくれることを願います。
それ以外の主要種のさえずり頻度はこちらから聞くことができます。
http://www.bird-research.jp/1_katsudo/forest/hikaku.pdf来年も4月1日から実施する予定です。ホームページなどで告知しますので,興味のある方はご参加ください。