2023年11月02日

今年はジョウビタキもツグミも早い?

11月になったので,ジョウビタキとツグミの今年の初認状況をまとめてみました。まだ渡りの途中段階ではありますが,両種とも今年は早いようです。

まずはジョウビタキ
すでに渡りのピークは越え,記録も少なくなってきているので,今年の渡り状況は確定で良いと思いますが,10/16-20の期間がピークになっていて,昨年や2014-2015年と同様に,これまででもっとも早く渡来した年の1つとなりそうです。

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これまでは,ジョウビタキは九州に最初に渡来して,その後,各地でも初認されるようになるというのが基本パターンで,朝鮮半島から渡ってきているのね,と思っていたのですが,ここ数年そのパターンが崩れつつあります。国内繁殖が増えてきたからかなぁなどと想像していますが,なかなかその検証は難しそうですね。


続いてツグミ。こちらはこれから渡来が本格化する鳥なので,現時点では何とも言えませんが,10月時点で,かなりの記録が届いていて,10月までの記録数では,これまで一番多かった2020年の16件に対して,40件と,かなり多いです。東京ではすでに低地でも見られていて,早い実感があります。山の木の実が少なくて,早々に低地で見られるようになっているのでしょうか? クマが下りてきているとか,ニュースでもみかけますし…。引き続き情報収集を続けていき,またご報告します。

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posted by ばーりさ at 14:07| 活動報告

2023年10月31日

JR芦屋駅でムクドリ調査 ケヤキよりもトウカエデが選ばれる?

兵庫県のJR芦屋駅でムクドリのねぐら調査をしてきました。

これまでのねぐら調査では、ケヤキがねぐら樹木として特によく選ばれることがわかりました。
https://db3.bird-research.jp/news/202103-no2/
JR芦屋駅では、駅ビルに沿うようなかたちでケヤキの木が3本、トウカエデの木が2本植栽されています。どの木も場所や大きさはよく似ていますが、ここではケヤキではなくトウカエデだけがねぐらに選ばれていました。
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それぞれの木について木の大きさ、隣の木までの距離、建物との距離などを色々と計測してみましたが、はっきりした違いは特にありませんでした。
これまで調査をしてきたところではケヤキと他の木が同じように街路樹になっている場合はほぼ必ずケヤキがねぐらとして選ばれていましたが、他の場所でも調査を続けて、ねぐらができる条件を明らかにしていきたいと思います。

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ねぐらになっているトウカエデの木

ムクドリ調査では皆さんからの情報も引き続き募集中です!
みかけられたらぜひ教えてください
http://www.bird-research.jp/1_katsudo/mukudoriNegura/negura.html
posted by ばーりさ at 16:25| 活動報告

2023年10月23日

MieMuで、シロチドリの話をしてきました(守屋)

MieMuは三重県総合博物館のことです。
立派な建物でした。庭で親子連れが遊んでいて、近くに博物館の施設があるのはいいですね。
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今回、企画展『第35回企画展 鳥のひみつ調べ隊! みて・きいて・ふれて』の関連イベントとして、お話をさせていただく機会を得ました。
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「砂浜にシロチドリを探しに行こう」というタイトルで、シロチドリの生態やシギ・チドリや湿地、保全の事を話しました。90分の長い時間だったのですが、最後に質問も出て皆さん熱心に聞いていただきました。
シロチドリを怖がらせない観察方法とかを伝授しましたよ。

MieMuには、「坂本式動物剥製法」を著した橋本太郎氏(三重出身)のコレクションを多数所蔵しているとのことで、企画展は、わかりやすい解説をつけて多くの標本などを展示しており、鳥に興味を持つ入り口となるような企画展でした。ぜひ見に行ってみてください。バードリサーチからも鳴き声の提供をしています。11月と12月に、フィールドワーク「身近な冬鳥を観察しよう」もあるそうです。12/10日まで。
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/p0031300086.htm

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鳥の鳴き声が確認できる展示
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イカルチドリとチドリ模様の小皿(文化的な展示も興味深かったです)
posted by ばーりさ at 12:46| 活動報告

2023年10月20日

『新版 鳥はなぜ集まる?』の特別付録に協力しました

東京化学同人から、上田恵介さんによる『新版 鳥はなぜ集まる?』が出版されました。
その特別付録として「全国群れマップ」と「明日からできる野鳥調査」の作成に協力し、バードリサーチのプロジェクトをたくさん紹介してもらいました!
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この本は、1990年に刊行された『鳥はなぜ集まる?―群れの行動生態学』の復刻改訂版で、鳥の群れにまつわる科学よみものです。私(植村)は鳥の研究をしたくて大学に進学した直後にこの本に出会い、何度も読み返していた本でしたので、こうして関われたことをとても嬉しく思います。

このブログを見ておられる方はすでに鳥への興味をかなりお持ちの方々だと思いますが、ぜひこの本を読んでさらに鳥への興味を掻き立てられて、バードリサーチの調査研究にもどんどんご参加ください!
付録のうち、繁殖分布調査については2016年から2021年にかけて行ったものなので「明日から」はできませんが、また次回の2030年代の調査へのご参加をお願いします!笑
posted by ばーりさ at 10:00| 活動報告

2023年10月17日

ヒヨドリは蜘蛛の暮らしを知っているU 〜雨の日に出てくる時間が早いことも〜

 昨年8月のニュースレターで,事務所の看板に,夕方になるとヒヨドリがクモを食べにやってくることを報告しました。

 今年もヒヨドリは去年よりも早く,5月中旬頃からやってきていて,クモが大きくなった6月中旬からは,高頻度に来るようになりました。





 高頻度に来たせいで,クモがいなくなってしまい,その後,ヒヨドリも来なくなってしまったので,予定していた,長期間の調査ができなかったのですが,観察していて興味深かったことがありました。それは雨の日はヒヨドリが来る時間が早いことです。

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 晴れか曇りの日は,18時台に見られることが多く,それ他の時間帯は少ないのですが,雨の日は,16時台をピークにその前後に見られることが多く,腫れや曇りの日は多かった遅い時間に観察されることはありませんでした。
 これはクモの行動を見ると,一目瞭然で,クモは晴れや曇りの日は,19時には,必ず出てきていますが,それより早い時間帯はあまり出てこないのですが,雨の日は,17時には必ず出てきているのです。


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 今年は,事務所のそばで日中でも時々ヒヨドリの声がすることがあったので,もしかすると,遠くから見ていて「クモいるね」と雨の日は早い時間からやってくるのかもしれませんが,おそらく,雨の日にクモの行動が違うことを知っていて,早い時間帯にヒヨドリがクモを食べにやってくるのではないかと考えています。


 でも,なぜ,クモは雨の日に早く出てくるのでしょうか? ぱっと思いつくのが,雨の日は暗いことで早くから暗くなるから,早めに出て来るのではということです。ただ,照度計で測ってみると,確かに多少暗くはあるのですが,それが原因というほど差があるわけではないんですよね。

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確かに,夜になると看板の蛍光灯も灯って,明るいし,明るさだけが制限になっているのは考えにくいですよね。日が暮れると湿度が上がりますし,そいういったいろいろな変化で出てくる時間が決まるのかもしれないです。


posted by ばーりさ at 14:29| 活動報告