12月2日(土)東京都国立市で野鳥調査・研究の楽しさを広く知っていただくためのイベント「はじめよう、野鳥研究」を行いました。
イベントは、野鳥調査の概要について講義→野外でモニタリング調査体験→まとめの講義、という流れで実施し、モニタリング調査の体験を通じて、楽しみながら野鳥研究について知っていただく構成で行いました。
まず、前半の講義では、野鳥研究の中からモニタリング調査を中心にお話させていただきました。モニタリング調査は、同じ時期、同じ場所、同じ方法でデータを取り続けることで、自然環境の変化が見えてくること。また、野鳥は目視で確認できないことが多いため、鳴き声をもとに種類や数を記録することなどをご紹介しました。
知っている野鳥の声について皆さまに伺ったところ、「シジュウカラの声!」という方もおり、野鳥観察ははじめてという方から、すでに観察をされている方まで幅広い方にご参加いただけたことを実感しました。
その後、谷保天満宮の周辺に移動し、モニタリング調査体験をしていただきました。
調査体験では、オナガやハクセキレイ、コゲラなどが比較的観察しやすい場所に出てきてくれて、双眼鏡で野鳥を見るのは初めてという方でも、観察できたのではないかと思います。
鳴き声:オナガ
:コゲラ
体験で使用した調査票(と記入例)。実際の調査ではもっと多くの項目を記録します。
はじめて双眼鏡で野鳥を見る方もいらっしゃいましたが、比較的見やすいところに野鳥がでてきてくれました。
調査体験の終了間際には、コゲラが6羽でてきました。またジョウビタキの声も聞こえました。
アンケートでは「コゲラの背中のシマシマ模様が良い」という感想も。
調査体験終了後の講義では、9月に事前に記録しておいた同じ場所の記録と、今回の記録を比較しました。
9月にいたツバメが今回見られなかったり、9月にはいなかったジョウビタキが今回はみられたり等、季節ごとに移動する野鳥の様子を感じることができたのではないかと思います。
その後、東京都 鳥類繁殖分布調査の1970年代と2010年代の記録を比較しながら、国立周辺を中心に、増えている野鳥、減っている野鳥がいることを紹介させていただき、また、その増減から自然環境の変化を読み取れることもお伝えしました。
コゲラの増加していることに驚きの声があがっていました。
※鳥類繁殖分布調査の詳しい資料はこちらからご覧いただけます。
私たちは、今回のイベントを通じて、野鳥の調査研究の楽しさをお伝えすることと同時に、継続的な調査の大切さもお伝えできればと考えていました。
このイベントで、ひとつ一つの調査を積み重ねることで、大きな変化を読み取ることができる楽しさや、大切さを感じていただけていたら嬉しいです。
最後に、このイベントはKFまちかどホール様と一緒に実施しました。そして多くの一ツ橋大学生の方と一緒にイベントを準備・実施しました。この場を借りて御礼申し上げます。
そして、ご参加いただいた皆さま、お忙しいところイベントに来ていただき、本当にありがとうございました!
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