2022年06月30日

カワウの管理に関する行政向け研修会を開催しました

今月、環境省からの委託を受けて、2回にわたりオンラインでカワウの管理に関する研修会を開催しました。
対象は行政担当者向けとなっており、個体数などの調査に関わられている自然保護団体や、漁協などの方にはご案内していないのですが、200名を超える参加がありました。
新型コロナウイルス感染症がひろがる前は、この研修会は対面形式で開催されており、東京のほか全国各地で開催されていました。オンライン開催よりも内容充実で、現地視察や、グループワークによる管理計画の作成実習などが組まれて2泊3日で開催されていました。その頃は多くても30名程度の参加だったと思いますので、それに比べると今年度はかなり参加者が多くなっています。

今年度の参加者の半数は都道府県、半数は市町村の担当者でした。オンラインでの開催は、旅費などがかからないので、県外に出る機会の少ない市町村の担当者が参加しやすいというメリットがあるのだと思います。加えて、カワウの管理における市町村の役割が大きくなってきていることも背景にあります。場当たり的な対策はカワウの管理の場合マイナスに働くことが多いので、現場に近い市町村の方がカワウの管理に関する基礎知識を身につけて関わるようになることは、とても良いことだと思っています。

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過去の研修会の内容や講義資料の一部は、
下記のWebページでご覧になれます。

環境省 カワウの保護管理ぽーたるサイト
カワウの保護管理に関する資料 研修について
https://www.biodic.go.jp/kawau/02_kenshu.html
posted by ばーりさ at 16:10| 活動報告

聞き取り調査終了:今年のさえずりは後半の夏鳥は遅め

4月から毎朝,秩父,富良野・山中湖,志賀高原と聞いてきたライブ音の聴き取り調査が,今日で終了しました。

聞き取りの結果は,以下よりご覧いただけます。


今年の傾向というとなかなか言いずらいのですが,少なくとも,後半に渡来するカッコウ類,メボソムシクイなどの夏鳥は遅めだったようです。赤線が今年で,それ以外が過去の記録,縦軸がさえずり頻度,横軸が調査日です。

遅い夏鳥.png

それ以外の鳥たちは,というと,ちょっと難しく,どこの調査地にも渡来するキビタキについて見ると,遅めにさえずり出した秩父を除けば平年並みです。

キビタキ.png


そして,早めに渡来する夏鳥について見ると,例年よりも早めの傾向があるようです。

早い夏鳥.png


今後こうした早遅や日ごとのさえずり頻度の変化に影響する要因なども検討していけたらと思っています。

posted by ばーりさ at 13:17| 活動報告

2022年06月27日

東金こども科学館で砂浜の鳥の講座を行いました。

九十九里浜で先週の土曜日(6/25)に、東金こども科学館主催の砂浜の鳥の話&観察会を行ってきました。
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嘱託研究員の奴賀さんがコアジサシ、私がシロチドリの話を行いました。参加者はこども11名、保護者7名。小学校低学年が多く、なかなかややこしい話をなんとか聞いてくれました。質問は、保護者の方からもよく出ていましたので、ご家庭でより深く砂浜の鳥の事を調べるきっかけになれば良いと思います。
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観察会は、コロニーから離れた所から観察しました。コアジサシ、シロチドリ、コチドリなどが観察されました。話に聞いたものが実際どんな鳥なのか観察できる良い機会だと思います。
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野外で楽しそうで、石を投げたり、砂を掘ってみたりと、一面砂場みたいなものですから、じっとはできませんね。
まあ、楽しければいいです。これも生態系サービスです。

来年もある模様ですが、そろそろ大人向けも再開してもいいかもしれません。
posted by ばーりさ at 17:21| 活動報告

2022年06月10日

シカの影響の大きい芦生の森へ

京都の芦生に行ってきました。ここはモニタリングサイト1000のコアサイトになっているのですが,シカの影響で下層植生のない森だったので,2003年の調査開始後,ウグイスやソウシチョウが記録されてこなかった場所なのですが,最近少し,記録され始めているというので,環境の変化など見に行ってきました。

今日の野営地はこちら。いい雰囲気の場所ですよね。

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夜になると間近にヨタカが現れたり,遠くでコノハズクの声がしたりで,雰囲気だけでなく,本当にいいところでした。


でも,ウグイスがほとんどいない場所だけに,暮れかかってくると,だいたいどこでも聞こえてくる,ホトトギスの声が,ここでは聞かれませんでした。

そして,3時に起床。いつもの調査地なら白んでくる時間帯ですが,ここは西日本。真っ暗です。もう一度寝るのも何なので,お湯を沸かして,コーヒーを飲みつつ早めに出発。そうこうしているうちに,空が赤くなってきました。

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谷部はこんな感じで,植生が全くないのですが,急傾斜地には,スギの稚樹などがはえていて,そんなところからソウシチョウの声がしていました。以前のスズタケが繁茂していたころとは比べものにならないのでしょうけど,こうした場所を足掛かりに,ソウシチョウのような利用環境の幅の広い種から徐々に復活するのかもしれませんね。

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今後のモニタリングの結果を見ていきたいと思います。

今回のカツ丼はこんな感じ。
関西らしく,カツの上に卵とじを載せるタイプ。珍しくサンショを使ったもので,おいしかったです。

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posted by ばーりさ at 08:24| 活動報告

2022年05月26日

シカの影響で減った鳥が復活? 大山沢・秩父演習林調査2回目

大山沢と秩父の2回目の調査。最初は大山沢から。

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大山沢の調査では,前回は,途中でヘッドランプの電池が切れるという失態をしてしまったので(携帯のライトでなんとか歩けた),今回は充電も万全,日の出も早まったので,林道入り口から2時半前にスタートです。今回はトラツグミ,ジュウイチ,ヨタカに加え,コノハズクの声もしていて得した気分でした。
調査では,1回目に続き,キビタキやシジュウカラが多く観察されました。そしてアカハラも。今年多いだけかもしれませんが,鳥類相が変わってきている可能性もあるので,来年以降も気にして見たいと思います。

また,シカの影響で減った藪の鳥が復活傾向にあるようなデータも最近とれているのですが,今回は,大山沢では,最近記録されなくなっていたソウシチョウの声が聞かれ,秩父演習林の方ではウグイス,そして,1回目の調査では記録されず「今年はいないか…」と思っていたコルリが2羽記録されました。


火事の影響とシカの影響をみるシカ柵も設置されましたので,今後の経過を見ていきたいと思います。

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火事の後に枯れた木と,シカ柵


それと,今回の一番のトピックはクマに接近遭遇したことです。オオアカゲラを観察していた時,近くで大きなガサガサ音,横の斜面を見ると,30−40mくらいのところにクマがいました。雌なのか若い雄なのか,そんな大きい個体ではありませんでしたが,相手に高い位置をとられるのは,ちょっといやな気分でしたが,目があったら,明らかに,あちらは負け戦の目をしていたので,これは危ないことないな,と,直感できました。でも,ステッキはいつでも使えるようにしつつ,観察。この距離ならカツ丼カメラでも撮れるかも,とザックからカメラを取り出そうとしたら,逃げられてしまいました。残念。


今回は,石田健さんを誘って食事してきました。演習林の方に「植田さんは肉でしょ」と推薦いただいたお店で,わらじカツ丼ではないですが,やはり秩父名物の味噌豚丼を食べてきました。WEBではそこそこ会ってましたが,久々に直で会えて,いろいろ情報交換してきました。石田さんがフィールドにしている秩父のもっと標高の高いところでの情報収集もしてみたいなとも思いました。

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posted by ばーりさ at 14:13| 活動報告