2014年05月02日

環境省からオジロワシの風車衝突映像公開

少し前になりますが,環境省からオジロワシが風車に衝突する瞬間のビデオが公開されました。

https://www.youtube.com/watch?v=CxGyVF9abSk&feature=youtu.be

これは,日本気象協会とバードリサーチが受託している調査「平成25年度海ワシ類における風力発電施設に係るバードストライク防止策検討委託業務」で設置した風車監視のWEBカメラに映ったものです。

Youtubeのせいか,オリジナルの映像よりも画面が暗くなってしまって,ちょっと見にくいのですが,3羽飛んでいるワシのうちの1羽が,別の1羽に追われながら風車に接近し,衝突してしまったことが映っています。

今回の映像では撮影したWEBカメラの画質の限界でワシがどういう方向を見て飛んでいるのかなど詳細はわからないのですが,ほかの調査地で観察していると,別個体に追われたりすると,そちらの方を見てしまい,前方を見ずに飛ぶことがよくあります。
もしこのシーンでもそのようなことが起きていて,うかつにも風車に近づきすぎてしまったとすると,近づいたことにより,ワシの網膜上での風車のブレードの速度が速くなる「モーション・スミア」といわれる現象が起き,ワシにはブレードが見えなくなってしまいます。
こうしたことが重なってバードストライクが起きてしまったのかもしれません。

風車の周囲でワシを観察していると,明らかにワシは風車を認識して避けて飛んでいます。天気が悪くて視界が悪いとバードストライクが起きるのかな? と思いますが,天気の良い日におきることの方が多いようです。今回の映像でこうした「他個体の干渉」が衝突原因になっているのかもしれないな,と思いました。

バードストライクを減らすようにするためには,こうした「ワシの不注意」の起きにくい場所に風車をたてるようにするべきですが,こうした「ワシの不注意」がどういう時,どういうところで起きやすいのか,5月号のニュースレターで紹介する予定です。
またご紹介します。

posted by ばーりさ at 11:20| その他