まもなく新大学院「兵庫県立大学地域資源マネジメント研究科」ができます。
大学院生募集の案内が,研究科長の江崎さんから届きました。
興味のある学生さんは,以下の案内をご覧ください。
ホームページ / パンフレット / 募集要項
以下,江崎さんからのメッセージです。
兵庫県豊岡市に、兵庫県立大学の新大学院(地域資源マネジメント研究科)が来る4月に開設されます。当地は、コウノトリを頂点捕食者とする生物群集と生態系を直視することができる日本唯一の場所です。2005年の再導入以来、すべてのコウノトリが個体識別されているため、国内外でも類のない大規模実験サイトとして機能しています。また、当地は豊かな田園生態系、汽水・淡水魚類が豊富な円山川、ラムサール登録湿地、世界ジオパークなどを有し、それらを保全すべく行政のみならず住民による自然再生が各所において精力的に行われています。したがって、これらを研究テーマとする生態学的、応用生態工学的な研究を行うには最適な場所です。
本研究科のモットーは「地域における大地・生物・人の歴史的なつながり」を理解したうえで,「地域の生物多様性保全,健全な生態系を前提とした地域社会づくり」に貢献できる人材を育成することです。そのために、ジオ(地球科学)・エコ(生態学)・ソシオ(人文社会科学)の教員陣を、順に3・4・3名、計10名用意し、1学年12名の修士学生の指導にあたります。
さて、本研究科の着想のもとは、当方が携わってきたコウノトリ野生復帰事業にあります。コウノトリは「地域資源」であり、これを地域の生物多様性保全の有効なツールとして使っているからです。そして、そのためにはフィールドでの生態研究が欠かせません。また上記のように、国内のコウノトリ個体群は私どもが、毎年標識し、ほぼ完全に個体識別をしています。つまり「鳥類の生態研究にとって絶好の材料が目の前にある」というわけです。そして学生さんには「コウノトリあるいはその餌となる魚類を中心とする動物生態学の基礎研究」を行なってもらおうと考えています(むろん、コウノトリ以外の鳥の生態研究も指導します)。ただし、自然科学の基礎研究だけでは、野生復帰も地域社会づくりもできませんので、野生復帰やジオパーク等の社会事業に参加し、地域のステークホルダーと連携することを通して、理論を実践に結びつけるスキルも獲得してもらいます。
2013年12月30日
新大学院「兵庫県立大学地域資源マネジメント研究科」のお知らせ
posted by ばーりさ at 09:57| その他