5月になり,ツバメの初認が落ち着いてきたので,今年のツバメの初認状況をまとめてみました。
まずは,全国の渡来状況です。
近畿以西は3月上中旬にピークが来て,中部太平洋側は中旬から下旬,関東と中部日本海側は3月下旬から多くなり,東北地方は4月中旬になってから,と,西からツバメが渡来してきている様子がわかります。
では,今年はツバメの渡来は早かったのでしょうか? それとも遅かったのでしょうか?
全国の初認記録を集計して,過去からの結果と比べてみると,
いつがピークだかもわからないような,ダラダラとした感じの渡来で,この図からは,早いとも遅いとも言えません。2019年もダラダラ渡来していましたが,それでも3月中下旬がピークと言えたので,かなり特異な年と言えそうです。
そこで,地域別に分けて,比較してみました。
中部太平洋側の地域を境に,西側は渡来が早く,東側は遅かったために,日本全体でみると,ダラダラと初認が続いたということになりました。
今年の春は暖かで,桜が早く咲きましたが,開花した直後から花冷えが続いたため,それまでに渡来していた西側は早く,東側は遅いといったことが生じたのだと思います。
これから初認が進む,その他の夏鳥はどうでしょうか? 寒さの厳しくなる3月に渡来するツバメと,ベースの気温が高くなる,4月に渡来する種では,こうした反応も違うかもしれません。そうしたことを明らかにするためにも,季節前線ウォッチへの情報送信,よろしくお願いいたします。
https://www.bird-research.jp/1_katsudo/kisetu/index_kisetu_taisho.html
2023年05月01日
今年のツバメ初認は「西早東遅」
posted by ばーりさ at 16:50| 活動報告