バードリサーチでは、千葉県で問題になっている野生化したコブハクチョウの調査を行っています。
コブハクチョウは千葉県以外にも国内の複数箇所で野生化したものが生息していて、河口湖もそのひとつです。
河口湖に現れて繁殖を始めたコブハクチョウについての情報交換を目的とした報告会に参加し、千葉県の事例を紹介してきました。
河口湖では、お隣の山中湖村で放し飼いにされている集団に由来すると考えられる個体が、2020年から繁殖を始めました。河口湖には現在6羽のコブハクチョウがいて、いずれも金属製の足環による個体識別がされているそうです。放っておけば千葉県など他の地域で例があるように、個体数が増えて問題が起きたり、さらに別の場所に移動してしまうことなどが予想されます。今回は、今後河口湖町のコブハクチョウが移動した場合や他の個体が入ってきたときなどに情報共有ができるようにということで河口湖のコブハクチョウ調査グループによる報告会が開かれました。
私は、コブハクチョウの基礎的な生態や冬鳥として飛来するオオハクチョウ、コハクチョウとの違い、コブハクチョウが増えて問題が起きている千葉県の状況や対策などについてお話ししました。冒頭では、最低限の責任ある放し飼いの例として、山口県宇部市にあるときわ公園のコブハクチョウ達が、高病原性鳥インフルエンザの感染リスクが高い冬の間は飼育施設内に隔離して管理されていること、その他の季節は毎年生え変わる風切羽を切羽して飛んで移動できなくした上で湖の一部を区切った箇所で飼っていること、将来的に数が増えても、冬に飼育施設内で管理できるようにするために適正な飼育数の上限を20羽程度までと設定しているなども紹介しました。
30人ほどの参加があり、色々な質問があがって有意義な会だったと思います。
山中湖や河口湖のコブハクチョウについては私自身も詳しく知らなかったのですが、とても勉強になりありがたい機会でした。
報告会の前には、河口湖のコブハクチョウを案内していただいて観察してきました。
参考