2021年11月25日

近況報告2020≫ ムクドリが好むねぐら環境の調査 −ヒトとムクドリの共存を目指して−

バードリサーチの研究支援プロジェクト(2020)で、皆様からご支援いただいているバードリサーチのムクドリ調査の近況報告です。

研究支援プロジェクトでは、例年バードリサーチの企画も一つ入れており、今回は「ムクドリが好むねぐら環境の調査
 −ヒトとムクドリの共存を目指して−
」について、皆様からご支援をいただきました。

ねぐら入りしているムクドリをどう追い払うか、ということに主眼を置いたこれまでのムクドリ対策を転換し、人があまり困らない場所にムクドリのねぐらを誘致する方法を考え、ムクドリと人の共存を目指そうという企画です。

今年度の調査では、全国の会員の皆様やバードウォッチャーからムクドリのねぐら情報を募集しました。
これまでのところ、全国から200箇所を超えるねぐら情報をお寄せいただきました。

これまでの成果はムクドリのねぐら調査のページでご覧いただけます。

ねぐら情報は現在も収集中ですので、ムクドリのねぐらを見つけられましたら、ねぐら情報の入力フォームからぜひお送りください!
特に冬季のねぐらについてはまだ情報が少なく、これからの季節の情報をお待ちしております。

これまでの情報をもとに、ねぐら選好性を調べる簡単な解析をした他、東京都や埼玉県、千葉県のムクドリのねぐらでねぐら樹木の計測などの調査を行いました。
樹木の計測にはレーザー距離計を使用して一人でも効率的に調査を進められるようにしましたが、1箇所のねぐらの色々な樹木を計測しているとあっという間に時間が経ってしまいます。

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調査の様子 レーザー距離計で街路樹の幹間距離を測っている様子

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調査道具のレーザー距離計と野帳、愛用のペン


これまでに、計300本を超える樹木を計測し、段々と充実したデータが得られてきました。

現在は主に関東平野のねぐらを対象に計測を行なっていますが、ねぐらや被害の情報が多い関西地方やその他の各地でも計測を重ねたいと思っています。

これまでの結果をいろいろ生きものネット埼玉のサイエンスカフェの話題としてお話しました。
オンライン開催で、ムクドリのねぐら研究をしてこられた越川重治さんや県市町村の職員の方を含む多くの方にご参加いただきました。
ご質問も多く、活発に情報交換できたと思います。
サイエンスカフェということでムクドリの基礎的な生態の説明や、おまけとして街路樹とまちづくりの方針についてなどについてもお話しして、私自身ムクドリとねぐら関連の考えをまとめる良い機会になりました。
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サイエンスカフェの様子

埼玉県や東京都の行政の方とも情報交換を始めており、今後は各ねぐらでの個別の状況も詳しく調べようと考えています。

引き続き皆様からのねぐら情報を募集しておりますので、ぜひよろしくお願いします!


posted by ばーりさ at 11:20| 研究支援(近況報告)