東京23区内で分布を拡大している4種の調査(参加型調査)を5月下旬に開始しました。これまで99名の方にご参加頂き、140メッシュの結果を送って頂きました。参加して頂いた皆様、ありがとうございます。
本調査は6月30日まで実施しています。23区にお住まいの方や職場が23区の方、シジュウカラ、オナガ、ホンセイインコ、メジロを目撃したら是非、観察記録をご提供ください!特に足立区、荒川区、台東区、墨田区、葛飾区、江戸川区のデータが不足しております。データ送信は特設ページからお願いします。
重複した場所もありましたが、全部112メッシュの結果が集まりました(図1)
1990年代と2010年代で同じ調査をしている東京都鳥類繁殖分布調査の両年代の結果を比較すると、オナガは1990年代は23区ではあまり繁殖しておらず、2010年代では23区の西側に進出しているように見えました。一方、今回の結果ではほぼ全域で確認されました(図)。中央部で白いメッシュ(今回の調査でデータが提供されたが、生息確認されていない区画)がやや目立ちましたが、このあたりは本当にいないのでしょうか。6月中に確認しに行ってみたいと思います。
シジュウカラの分布
シジュウカラは1970年代まで23区の東側ではほとんど観察されていない種でしたが、90年代では沿岸部でも観察されるようになり、今回はほぼ全域で報告がありました。ただ、江戸川区と足立区のデータが少ないため、このあたりまでシジュウカラが分布しているのかはこのデータでは分かりません。データの少ない地域にいかれたら、是非、シジュウカラがいないか周りを確認してみてください。
ホンセイインコの分布
1970年代では確認されておらず、1990年代でも局所的に確認される程度で、その観察結果の多くが上空通過でしたが、今回は23区西側で広く確認されていて、7メッシュでは繁殖確認されています。今のところ、東側ではほとんど確認されていませんが、採餌などには行っているかもしれません。東側で目撃した際には是非、情報をお寄せください。
メジロの分布
1970年代から西側から徐々に分布を拡大しているメジロは西側のほぼ全域で確認されました。
一方、東側からの情報は少ないので、この地域ではまだ局所的で分布している程度なのかもしれません。
一方、東側からの情報は少ないので、この地域ではまだ局所的で分布している程度なのかもしれません。
このまま分布を拡げていくと、20年後には全域でみられるようになるかもしれません。
最後に
100名近くの皆様に参加して頂き、とても嬉しいです。今回、ご提供頂いたようなデータはこれまでも蓄積されていて、それらを分析する事によって、今回、注目した4種が23区で分布を拡げている事が分かりました。また、これらのデータが集まる事で、どのような要因で分布が広がったのか(街路樹が増えたからなのか、公園が増えたからなのか、屋上緑化も影響しているのかなど)を、環境データと照らし合わせる事で分かってくるかもしれません。詳細な分析をするためにも引き続き、調査にご参加ください。また、分布が広がった要因に心当たりのある方は是非、佐藤までアイディアを教えてください。分析する際、参考にさせて頂きます。