2019年10月23日

近況報告2018≫ 川はユリカモメの道しるべ?

バードリサーチの研究支援プロジェクト(2018)で、皆様からご支援いただいている研究の近況報告が届きました。

竹重志織さんによる「川はユリカモメの道しるべ?」です。

この調査研究プランは、東京湾にそそぐ都市河川の上をなぞるように飛ぶユリカモメの行動について、目的地にいくための道しるべとして川を利用しているのか、それとも、高層ビルが邪魔でやむを得ず川の上を飛んでいるのか、明らかにしようというものです。(詳細はコチラ

いただいた近況報告をご紹介します!
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<川はユリカモメの道しるべ?の経過報告>
 調査は下記のように実施しました。
  • 時期) 2019年の2〜4月
  • 調査地) 東京都の隅田川と神奈川県の鶴見川
  • 調査対象) 日の出前後と日の入り前における、ユリカモメの日周移動の個体数&移動空間や方向のタイプ(河川直上、河川から離脱or進入など)を記録

「ユリカモメの移動経路としての河川への依存度は河川や時間帯によって異なる」という結果になりそうです。
なお、同じ河川内でも、ほぼ全ての個体が河川から外れずに飛行するポイントと、一部の個体が河川から外れるポイントがあるので、その要因を近隣の水域の存在やビルの高さなどといった視点で分析中です。
また、建物の高さや河川の周辺土地利用は時間帯によって変化しないので、河川沿いにおけるなんらかの人間活動の程度(例えば給餌)が時間帯によって異なり、それがユリカモメの移動経路を時間帯によって変化させた可能性があるのではないか、と考えております(あくまで考察ですが)。

今回の調査では、河川沿いの給餌の程度といった人間活動の程度は記録していなかったので、今年の冬の調査では都市における水鳥の移動を、・駆動する可能性がある要因(例)土地利用:河川,人間活動:給餌場所・阻害する可能性がある要因(例)土地利用:河川上の高速道路,人間活動:交通量?といった土地利用と人間活動の両側面から研究していこうと考えております。

なお、2017年12〜3月に東京の神田川で調査をした際には、ユリカモメは移動経路としての河川への依存度は時間帯に関わらず高く、ほとんど河川から外れて移動をしないという結果がでていたので驚きです(神田川での結果は、近日中に国際誌に投稿します)。

いずれは市民調査を計画して、同時に複数の河川を調査できるような仕組みづくりをしたいと考えております。

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posted by ばーりさ at 16:14| 研究支援(近況報告)