バードリサーチでは,各地の森林にICレコーダを設置しています。
北海道では,雨龍,足寄,苫小牧の3地点ににICレコーダを設置していますが,今年の分の聞き取りが終わって集計してみました。
3地域ともよく聞かれる3種のさえずり頻度を比べてみると,雨龍と足寄では,ツツドリは例年より遅めで,センダイムシクイとキビタキは平年並みという感じでした。それと比べて苫小牧は早めという地域差がありました。
ICレコーダによるこれまでにさえずり頻度の状況。赤い線が今年の記録
ツツドリ(吉村正則氏),センダイムシクイ(三木敏史氏),キビタキ(矢田新平氏)
カッコウ類は今年は全体的に渡来が遅い傾向があり,季節前線ウォッチの情報でもカッコウとホトトギスは最近で最も初認の遅い年の一つでした。ツツドリが遅かったのもそれと同様なのかもしれません。
季節前線ウォッチのによる初認情報の比較。カッコウとホトトギスは年によるばらつきが多く,今年は遅かった。
苫小牧だけ早めだったのは,気温をみても,苫小牧だけが他地域と比べて平年値よりも暖かめだったということは特になく,地域間の違いが何に基づくのかはよくわかりませんでした。
まだ,どのようなことを意味するのかわかりませんが,貴重なデータがとれたのでは,と思っています。