皇居のお濠では近年、水草が増加していて、冬になると水草を食べるヨシガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、ハシビロガモが増えています。ハシビロガモは植物プランクトンを食べるのかと思っていましたが、水草もしきりとつついて食べていました。キンクロハジロが減っているのは水草のせいで潜水しにくくなったのか、それとも水がきれいになって餌の底生生物が減ったせいでしょうか?
グラフは1月のカモ類の数。環境省のガンカモ類の生息調査(ガンカモ一斉調査)より。調査対象ではないので数の変化は分かりませんが、水草食のオオバンもたくさんいます。

皇居のお濠で水草を食べているヒドリガモとハシビロガモ。右の端っこにコガモ。
それから、水草は冬場にカモの餌になっているだけでなく、水中の栄養分を吸収してくれるので夏にアオコ(植物プランクトンの大発生)が起こりません。
水草がある濠は、このように水が澄んでいます(2019/8/12撮影)。しかし水草を刈らないと、腐ってふたたび養分が水中に戻ってしまうでしょう。カモが水草を食べることは、水草が吸収した水中の養分を濠の外へ循環させる役に立っています。
水草がない濠では、このとおり水が緑色。
近づくと、アオコの粒子が見えます。