1つは噴火の影響と鳥の関係です。大島には噴火後の遷移状態がちがう場所があって,その遷移状態と鳥の関係が観察できました。おそらく風が強いことや水はけがよすぎるとかいろいろ理由はあるのだと思いますが,三原山の東側は裏砂漠という植物がほとんどないような噴火後あまり変わっていないような場所になっていて,西側は植生遷移の初期状態で,その進み具合も場所による差がありました。
植物がほとんどない裏砂漠には,トビなどは飛んでいますが,ホオジロが1羽いた以外は地上性の鳥はいませんでした。そして,少し丈の低い植物が生えてい西側の噴火口に近い場所では,ミソサザイやイソヒヨドリがいて,籔くらいにまでなっている場所には,ウグイスやホオジロがたくさんいました。キジやコジュケイやホトトギスも。森に近くなっている場所ではオオルリの声も聞かれました。20年後,調査をした時には植物や鳥がどのように変わっているでしょうか?
もう一つは土砂崩れと猛禽です。2013年に大島では集中豪雨により土砂崩れが起きる大災害がありました。不幸な災害でしたが,これがサシバの定着につながったかもしれません。今回の参加者のMさんがサシバを発見して,その後,行動を観察したところ,崩落地で採食しているようだということでした。同じ場所ではノスリも観察されました。山にいるサシバが雪崩地形を利用しているとの調査もありますが,同様なことが大島でも起きているのかもしれません。今は谷戸を主要な生息地としているサシバですが,本来の生息環境はこうした場所なのかもしれませんね。
土砂崩れが起きる前からサシバはいて,それが崩落地を利用するようになったのか,それとも崩落地ができて,大島にサシバが定着したのかはわかりませんが,島の鳥類相のことを考える上でも,興味深いな,と思いました。
崩壊地は草地になって,よい採食地になっているよう。