2016年12月27日

近況報告2015≫火の鳥 巣箱に んみゃーち!!!

バードリサーチの研究支援プロジェクト(2015)で、皆様からご支援いただいている研究の近況報告が届きました。
浜地歩さんと植村慎吾さんによる「火の鳥 巣箱に んみゃーち!!!」です。

 アカショウビンは、枯れ木やタカサゴシロアリの巣など脆い材質のものに自分で巣穴を掘って繁殖します。木製の巣箱を使ってもらうことも難しいため、これまで繁殖生態の研究が行われていませんでした。そこで、浜地さんと植村さんは、巣穴を掘りたくなるようなコルク製の箱を林内に設置して、そこで繁殖するアカショウビンの生態をCCDカメラで盗み見ようという研究です。(詳細はコチラ

いただいた中間報告をご紹介します!
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アカショウビンの巣箱
浜地歩 植村慎吾

中間報告

 4月〜6月にかけて、今回のご支援で新しく設計したアカショウビン用の巣箱を10個作成し、宮古島の山林内に設置しました。昨年まではコルクだけでできた巣箱を設置していましたが、コルクだけの巣箱では、せっかくアカショウビンが繁殖しても巣内の様子を見ることが難しいため、巣箱の利点を活かせませんでした。
 そこで、新しい巣箱は木の板で巣箱の外枠と背面をつくり、前面のみをコルクにして作成しました。新しい巣箱は、内部に十分な広さを設けるためと強度を保つための設計に腐心しました。コルク部分は厚さが10cmあるので、アカショウビンが掘りやすいように中央をくぼませることが大変でした。この巣箱は上面に穴(開閉可能)を開けてあるため、繁殖が始まればCCDカメ ラを取り付けて産卵のタイミングや各ヒナへのエサ配分やヒナ間競争など、外からの撮影ではわからないアカショウビンの繁殖生態を詳しく知ることができます。

 アカショウビンは宮古島に4月に渡ってきて1ヵ月から2ヵ月もかけて営巣場所さがしと巣穴堀りをします。アカショウビンが営巣できる枯れ木の数は限られていると思われるので、新しい巣箱でも今年さっそく利用してくれないかと期待して いました。しかし、結局今年は新しい巣箱では繁殖してくれませんでした。
 一方で、一昨年に設置したコルクだけでできた巣箱には今年2ペアが繁殖しました。巣箱に使っているコルクは設置当初はまだ硬く、林内に設置して1年以上経つことでコルクが朽ちて柔らかくなるために、アカショウビンが巣穴を掘りやすくなるのだと考えられます。新しい巣箱も、来年以降はコルクが柔らかくなってどんどん利用されると期待しています。

植村 写真1s.jpg
巣箱の作成 手前は完成品です。
上面の板の切込みからCCDカメラで覗きます。

植村 写真2s.jpg
設置した巣箱 地元の子供達に説明しています。  
posted by ばーりさ at 21:38| 研究支援(近況報告)