2015年08月15日

中央公園8月15日調査報告

朝になってもまだ少し心もとない曇り空。
公園の鳥たちもハシブトガラスを除いて鳥枯れの状態です。

私たちを楽しませてくれたササゴイの営巣地もひっそりとしていました。
今朝は幼鳥3羽が池の周りを飛び回るだけでした。
成鳥の姿はありません。

鳥たちも少ないので、ササゴイの繁殖状況をまとめてみました。
つがい数は昨年と同じ7つがい。
営巣数はやり直しや2回目繁殖を含め17巣。
巣立ちしたヒナ数は合計29羽でした。

すべての巣を対象とした1巣あたりの巣立ち雛数は1.71羽。
下の図は3シーズンの1巣あたりの巣立ち数の比較です。
年々減少していることがわかります。
ただ、統計的には有意な違いは得られませんでした。
ササゴイヒナ_150815.gif
(直近の3シーズンの1巣あたりの巣立ち数の比較)

失敗の理由は台風などの強風による落下や捕食です。
今年は状況から捕食されたと判断された巣が7巣ありました。
いくつかは営巣中のハシブトガラスが犯人のようでした。

面白いことに営巣木の樹種が昨年と今年で大きく違っていました。
昨年まではヒマラヤスギが多く利用されていました。
ところが、今年はケヤキが多くなりました。
sasagoi_nest_150815.gif
(2014年と15年の営巣木の樹種の比較)

営巣木の違いはハシブトガラスが関係しているのかもしれません。
ヒマラヤスギの林はハシブトの営巣場所にもなっています。
昨年は観察中に1巣が営巣中のハシブトに襲われ、雛が捕食されました。
状況からハシブトが犯人と思われる他の巣もありました。

今年は、ハシブトの巣から離れた場所で営巣したためかもしれません。
巣の位置もハシブトの巣から離れて造られる傾向がありました。

ケヤキではすべて樹冠の枝先に営巣していました。
そのため、風に弱いようです。
巣は落ちなくとも卵が落ちてしまった巣が2巣ありました。
さらにハシブトに目を付けられて親鳥が激しく追い払うケースも。

この公園は次第にササゴイの楽園ではなくなりつつあるのかもしれません。
はたして来年もササゴイは繁殖に飛来するのでしょうか。
つがい数は?巣立ち数は?
楽しみでもあり、少し心配です。

参加者4名 記録種数12種 記録個体数154羽
次回は8月22日午前6時からです。担当:BR平野
posted by ばーりさ at 13:44| みにクル報告(宇都宮)