2014年12月24日

近況報告2013≫ ベトナム戦争・鳥たちの復興

バードリサーチの研究支援プロジェクト(2013)で、皆様からご支援いただいている研究の近況報告が届きました。
越山洋三さんによる「ベトナム戦争・鳥たちの復興」です。

ベトナムでは、ベトナム戦争で使用された枯葉剤によって失われたマングローブ林を植林によって取り戻そうと国やNGOが奮闘しています。この調査研究は、こうした活動を行なうNGOのひとつ「南遊の会」の活動に協力してベトナムに赴き、年々変化していくマングローブの植林地の鳥類相を記録していくというものです。マングローブ林に生息している鳥たちの写真を撮り、イラストを作成しておき、将来的には、南遊の会が作成するマングローブ林を紹介する冊子に鳥の情報を盛り込めるようにするという計画です。
(詳細はコチラ

いただいた中間報告をご紹介します!
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ベトナム戦争・鳥たちの復興(中間報告)
 8月16日からの10日間、2014ベトナム・スタディーツアーにスタッフとして参加し、日本人学生25名、ベトナム人学生22名を引率しました。
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 最初の重要なプログラムはホーチミン市の戦勝証跡博物館見学で、米軍の枯れ葉剤散布による人的被害や生態系破壊を含めた戦争の悲惨さを目の当たりにしました。この博物館では、土産売り場などで働く畸形の方々に実際に会うこともできます。
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その後、ホーチミン市南部のカンザー地区へ移動し、3日間の植林活動を行いました。去年植えたマングローブの成長モニタリング調査も行いました。今年熱中症で倒れたのは2名で、例年より少なめでした。植林地にはナンヨウショウビンのペアが棲みついており、多くの人が観察できました。
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 ツアー7日目には、私の企画したエコツアーを実施し、VamSat自然公園でバードウォッチングを行いました。2013年ツアーでの観察結果をもとに自作した簡易フィールドガイド(日本語とベトナム語を併記)を事前に配布し、鳥の特徴などについて解説しておきました。9割の人がバードウォッチング初体験でした。
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 そのほか社会的な活動として、「南遊の会」への支援を広く呼びかけるための執筆活動(岡山県自然保護センターだよりに「マングローブ植林ツアーで見かけたベトナムの動物たち」を連載)や講演会(倉敷市いきもの茶屋「自然環境の保全と再生・ベトナム戦争 いきものたちの復興」)を行いました。ベトナム戦争や福島第一原発事故による放射能汚染の災禍を例に挙げるとわかりやすいのですが、鳥類を含めた生き物の生息環境保全のためには、政治や国際関係への積極的な関与が極めて重要です。
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 今年度の残りの期間は、データの取りまとめや来年のエコツアーの準備、将来的に発行するツアー専用フィールドガイドの原稿作成にあてる予定です。
越山 洋三
posted by ばーりさ at 17:02| 研究支援(近況報告)