2023年11月28日

AIでシギ・チドリ新着論文収集

4月頃から、週に2回Google Scholarの シギ・チドリ新着論文を検索して、AI(ChatGPT3.5)に要約・邦訳させるというスクリプトを動かしています。

論文検索している単語は以下のシギチドリ関連語です。
"waders" OR "shorebird" OR "scolopacidae" OR "sandpiper" OR "plover" OR "도요물떼새" OR "鷸" OR "Кулики́"

ネットで参照できる部分しか要約できないので、要約の要約といった内容ですが、おおよその内容を捉えているのではないかと思います。
2023-11-28.png

参考資料集めに作ったので、タイトル、タイトル訳、著者や出版情報、要約、リンクを抜き出して書き留めています。

ただ、種名の和訳が精度が良くない(というか、ほぼできてない)ので、検索には学名か英名が確実です...。生物名の翻訳は難しいみたいですね。鳥類リストを利用して改良できないかと考えています。また、シギチとは関係ない地学や考古学がたまに含まれます。これは、AIに学問分野を尋ねてより分けています。

AIで、画像識別したり、鳴き声判別したりも、徐々に有用になってきましたね。ただ、使い方にもよるのかなと思います。上手く使って便利にしていきたいと思います。
シギチドリ類メーリングリストに配信していますので、興味のある方は守屋までご連絡ください。


以下のブログを参考にしています。
Google Scholarで検索した内容をChatGPTで要約する (1/2)
posted by ばーりさ at 13:45| その他

2023年11月19日

印旛沼のトモエガモ、今年もすでに5万羽以上

11月18日に印旛沼でトモエガモのカウントをしてきました。すでに5万羽以上が飛来しています。去年5万羽を超えたのは1月のカウントのときで、11月は2万羽(長島充さんの調査)くらいでした。トモエガモの全国総数は最近5年ほどの間に急激に増えていて、昨年は17万羽近くでした。今年はさらに多くなるかもしれません。

ただ、これほど大きな群れだと十分な食物があるかが心配です。トモエガモはいろんなものを食べるようですが、宍道湖では林内でドングリを食べているのが観察されていて、他にも山間部に多数が飛来している場所があることから、ドングリは重要な食物になっていると思われます。今年はドングリが不作で熊の出没が増えているとのニュースを見ると、トモエガモも大丈夫かなと心配になります。

IMG_1329印旛沼2023-11-18.jpg
トモエガモは遠くて撮影できず、これはオナガガモの群れ。3万羽いました。

IMG_1334かんた.jpg
ところで、いつも印旛沼に行くとモモイロペリカンのかんた君をさがします。船着き場にいることが多いです。30年近くまえに放されて印旛沼で暮らしているそうで、元気な姿を見るとほっとします。かんた君は冬になると桃色の繁殖羽になります。カワウもいま繁殖羽の個体がいるので、魚を食べている鳥は春が繁殖期とは限らないのでしょう。
posted by ばーりさ at 22:29| 活動報告

2023年11月15日

カマキリを食べるカワガラスの写真

鳥がいつどこで何を食べているのか、わかっていそうで意外とわかっていないことの多いテーマです。食性データベースは、鳥が餌を食べたという観察記録をひとつずつみなさんに登録してもらい、記録を蓄積していこうというプロジェクトです。観察による記録だけで十分で、写真は必要ありません。
ただ、ホームページやSNSでの紹介などに使うため、登録した採餌記録に関連する写真の募集も常時行っています。

その写真募集に、面白い写真が届きました。
それがこちら下指差し
kamakiri_kawagarasu.JPG

カワガラスが、川の中でぐったりしたカマキリを咥えています。

食性データベースには自由記述欄があり、そこにはこう書かれていました。
「何故か川の中にカマキリがいて、それを咥えて石に叩きつけていた」
このカマキリ、「何故か川の中に」いたわけですが、何かの拍子に運悪く川に落ちたわけでも、蝶々なんかを追いかけて水辺に来ていたわけでもないかもしれません。ではなぜ川の中にいたのか。行動を操作されてやって来たのです。他の生物に…

突然なにをSFみたいなことを
と思うかもしれませんが、本当にそういう研究があるのです。

この物語はハリガネムシという寄生虫が主人公、彼らの一生(生活史)に秘密があります。
ハリガネムシは水中で産卵します。卵はまず、カゲロウの幼虫やヤゴなどに食べられます。カゲロウの幼虫やヤゴが羽化すると陸上に上がり、このうちの一部はカマキリやカマドウマなどに食べられてしまいます。そうすると、ハリガネムシもカマキリの体内に取り入れられます。カマキリは夏の間にどんどん成長し、ハリガネムシも同じようにカマキリの体内で大きく成長します。ハリガネムシが十分に大きくなって成熟すると繁殖の準備が整うわけですが、ハリガネムシは水中で産卵するんでしたよね。道路で車に轢かれたカマキリからハリガネムシが這い出ているのをみたことがある人は想像がつくかと思いますが、あのようにハリガネムシは陸上で自由に移動することはうまくありません。それで、寄生しているカマキリの行動を操作して水に飛び込ませるのです!カマキリなどの宿主(しゅくしゅ)が水中に飛び込んだら、ハリガネムシは脱出して交尾、産卵するのです。

こんなわけで、川の中でカワガラスがカマキリを捕まえている写真は、生態系のつながりを連想させる面白い写真なのでした。
食性データベースには、カワガラスの採餌記録が他にも3件届いていました。ひとつは餌が何かは不明でヒナに給餌していたというもの、ひとつはトビケラをヒナに給餌したというもの、もうひとつはトビケラの幼虫を食べたという記録でした。トビケラもハリガネムシが寄生する昆虫です。

食性データベースでは、みなさんからの観察記録をお待ちしています!
写真は必要ありません。
投稿はこちらより。
posted by ばーりさ at 10:34| 活動報告

2023年11月07日

冬にカワウがどっとやってくる瀬戸内海に浮かぶ島

先日、広島県に呼ばれてカワウの対策検討会とねぐらの視察に行ってきました。広島県では県内を北部、南部、東部、西部の4つの管理ユニットに地域区分をして、それぞれの地域ごとに管理方針を立てています。今回の検討会では、管理ユニットごとに課題とそれに対する取り組みの方向性について議論しました。地域を区切ることで、目標や課題が明確になる効果があり、そのことが取り組みの前進に大きく寄与していると感じました。また、県の職員が自らドローンを飛ばして繁殖状況を確認しており、これによって、正確な繁殖ステージの把握→タイミングを逃さない対策ができているのも、広島県の強みです。
カワウねぐら視察in広島0.JPG

現地視察に訪れたねぐらは瀬戸内海に浮かぶ島に形成されたねぐらでした。広島県のカワウの個体数には季節変動があり、県外から季節移動でやってくるカワウのために冬季の個体数が他の季節よりも多く、特に瀬戸内海沿岸部のねぐらでその傾向が強く表れます。視察したねぐらはあまりにも冬季の個体数が多すぎて、樹木の枯死が進み、土壌流失も起きてしまっているため、ねぐらの除去に踏み切った場所です。写真のようにビニール紐*を張り、追い出した後の状況を見てきました。
カワウねぐら視察in広島3.JPG
* 注)ビニール紐は、太陽光と風によって千切れていきます。環境や生物への影響を考え、カワウのねぐら対策で使用するビニール紐は生分解性のものを使用しています。

広島県のカワウ対策におけるもう一つの強みは、市町が積極的にカワウ対策に関わっており、県と密に連絡をとって行動できているところです。今回の視察もカワウの専門家と県職員だけでなく、市町の職員も一緒でした。
市町の職員だけでなく、地元の漁協の方が定期的に見周りをされているようで、対策実施後視察に行った時点までは、カワウは戻ってきていない、ということでした。ねぐらに上陸してみたところ、確かにうまくいっていそうでしたが、少数のカワウがねぐらをとっている可能性もみられたので、引き続き警戒をして、カワウが戻ってくる兆候があった場合は、早めの対応を勧めてきました。
ここの対策はこれで良いのですが、追い出したカワウがどこにねぐらをとるのか、ねぐらの分布管理の方向性、漁業被害への対応が重要です。今後のことについても話をしてきました。
カワウねぐら視察in広島1.JPG
カワウねぐら視察in広島2.JPG
posted by ばーりさ at 14:23| 活動報告

2023年11月02日

今年はジョウビタキもツグミも早い?

11月になったので,ジョウビタキとツグミの今年の初認状況をまとめてみました。まだ渡りの途中段階ではありますが,両種とも今年は早いようです。

まずはジョウビタキ
すでに渡りのピークは越え,記録も少なくなってきているので,今年の渡り状況は確定で良いと思いますが,10/16-20の期間がピークになっていて,昨年や2014-2015年と同様に,これまででもっとも早く渡来した年の1つとなりそうです。

ジョウビタキ.png

これまでは,ジョウビタキは九州に最初に渡来して,その後,各地でも初認されるようになるというのが基本パターンで,朝鮮半島から渡ってきているのね,と思っていたのですが,ここ数年そのパターンが崩れつつあります。国内繁殖が増えてきたからかなぁなどと想像していますが,なかなかその検証は難しそうですね。


続いてツグミ。こちらはこれから渡来が本格化する鳥なので,現時点では何とも言えませんが,10月時点で,かなりの記録が届いていて,10月までの記録数では,これまで一番多かった2020年の16件に対して,40件と,かなり多いです。東京ではすでに低地でも見られていて,早い実感があります。山の木の実が少なくて,早々に低地で見られるようになっているのでしょうか? クマが下りてきているとか,ニュースでもみかけますし…。引き続き情報収集を続けていき,またご報告します。

ツグミ.png
posted by ばーりさ at 14:07| 活動報告