2022年03月24日

森の鳥の聞き取り調査 今年も4月1日よりスタート

東京大学のサイバーフォレストの森の音のライブ配信を使って,2011年から森の鳥の聞き取り調査をしています。
今年もそのシーズンがやって来ました。4月1日から日の出10分前から1時間後まで,日替わりで,埼玉県秩父,北海道富良野,山梨県富士山麓,長野県志賀高原の鳥の声を聞き取って,各種のさえずり頻度をモニタリングしています。

去年の夏鳥シーズンから1年たって「鳴き声忘れちゃったなぁ」という人も多いかもしれません。そんなリハビリにもなる調査なので,早起きできる方は,ぜひご参加ください。


これまでの聞き取り結果から,ここ数年は春先から鳴いているヤマガラやゴジュウカラは,早くから活発にさえずるものの,その後に渡来してさえずり出すキビタキやアカハラは遅い傾向にあることがわかっています。ここ3年程,春先は暖かで,桜は早かったものの,その後,4月に寒くなっていたためではないかと思われます。

名称未設定-1.png
埼玉県秩父演習林の各種のさえずり頻度の年による違い。赤い太線2021年のさえずり頻度でそれ以外の線が2011年以降のそれぞれの年の頻度を示す。


このように,さえずりは,気温の影響を受けるのですが,キビタキが活発にさえずるようになった時期を比べると,渡来時期がゴールデンウィーク頃と比較的早い秩父では,4月の気温がさえずり時期に影響するのに対して,GW明けに渡来する志賀高原では,5月の気温が影響するなど反応に違いがあることなどもわかってきています。

名称未設定-2.png
キビタキが活発にさえずるようになる時期と気温との関係。地域によって関係する気温の時期が違う


今年も情報を蓄積していこうと思っていますので,興味のある方,鳴き声を覚えたり,リハビリしたい方は,ご参加下さい。


posted by ばーりさ at 14:33| 活動報告

テレワークの活用と山口県でのヒバリのさえずり録音

バードリサーチでは今後、働き方の選択肢として、徐々にテレワークも活用していくことにしました。
早速、植村が地元の山口県で2日間テレワークをしてみました。
データ解析や書類作成、メールやSlackでのやりとりのほか、zoomで外部のミーティングに出席したり、東京の事務所で勤務中の職員とコーヒータイムをしたりと、いつも通り仕事をすることができました。
ただ、いつも使っているような大きなディスプレイがない環境だったので、小さな画面1つだけでの仕事には多少ストレスもありました。
今後は長く滞在する場所で大きめのディスプレイを使えるようにしたり、コワーキングスペースなど大きなディスプレイが使える場所を使用するなどの対策が要りそうです。


バードリサーチは基本的に9:30からが勤務時間なので、それまでの時間を使って、ヒバリのさえずりを録音しました。
私は大学の卒論で繁殖期と非繁殖期のヒバリのさえずりを材料にした研究をしたのですが、当時使っていた機材や当時の経験では得られたデータの質が良くなくて論文にまとめられずにいます。今回はいい機会だったので録音をやり直してみました。
今回の調査地はきらら浜自然観察公園の隣で、荒地になっているところにたくさんのヒバリが繁殖しています。
調査は朝7時ごろからの2時間を2日間行ったのみでしたが、順調に録音が進み、最低限欲しかったくらいの録音ができました。
卒論のときには2ヶ月かけて録音調査をしていたのですが、今回はわずか2日間で、当時の2ヶ月分と遜色ないくらいの録音を得ることができました!
10月くらいになったらまた同じ場所で録音調査をして(他の時期にも帰れば録音して)解析をしてみようと思います。
こういう過ごし方ができるのもテレワークの利点の一つですね。

IMG_1918.jpg
調査地の、ヒバリが少ないエリア。この場所は草丈が高いのでホオジロが多かった。ヒバリはもう少し地面が露出するような荒地に多い(そちらは写真を撮り忘れました笑)。周辺ではチュウヒやハイイロチュウヒ、コチョウゲンボウなども観察できました。


posted by ばーりさ at 13:13| 活動報告