宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎さん(伊豆沼のサンクチュアリセンターへ行くとお目にかかれます)が「カモ学」という本を出版されました。カモ学は嶋田さんの造語ですが、カモだけの話ではなく、カモ科(カモ、ガン、ハクチョウ)ぜんぶを解説している本です。こういうスタイルは生きもの本では珍しくて、特定の種について詳しく書いた本はありますが、タカ学とかツル学という解説書はたぶんなかったと思います(あったら著者の方ごめんなさい)。
そんなわけで「カモ学」は、このガンや、あのハクチョウだけでなく、冬になると水に浮かんでいる丸っこい鳥ぜんぶを知りたいんだ、という圧倒的多数のバードウォッチャーの皆さんにお応えできる本だと言えるでしょう。
内容はまず、カモ、ガン、ハクチョウというカモ科御三家の特徴にはじまり、それぞれの食物や採食行動、渡りコース、繁殖形態、越冬地での行動と至極網羅的に進みます。これらのページは「解説」に徹して次々と事実が述べられていく感がありますが、読み進んでいくと終盤の「ガンカモ類の保全」の章では調子が変わってきて、著者の実体験から熱のこもった問題と対策のありようが語られます。この章では嶋田さんの人柄が感じられると思います。
「カモ学講座」は本日発売です!