2021年10月12日

ネットワークカメラによる水場モニタ


 バードバス調査は自作したセンサーカメラを使用して、水場をモニタリングしていますが、現在、既製品のネットワークカメラも試しています。
 ネットワークカメラは、カメラ自体がIPアドレスを持っていてパソコンにつながなくても映像を見ることができます。防犯用やペットの見守り用などで、お値段はピンキリですが3,000円程度で販売されている機器もあります。
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 現在、使用しているのはTP-linkのc100(屋内用なので雨の日はしまっています。ちなみに屋外用のc310という製品もあります)というネットワークカメラで、Wi-fiにつなげるタイプでLANケーブルが必要なく、電源があれば使用できます。基本的にスマホがあればよく、専用アプリを入れて指示通りしていけば設定できます。
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 出先でも確認することができ、モーションセンサーで画像内で動きがあればビデオ録画を始め、その時にスマホに通知もしてくれます。カメラの調整も必要なく、ヤモリぐらいしか映りませんが、ナイトビジョンもあり夜も撮影ができます。

 やや面倒なのは撮影された鳥の画像の確認です。専用アプリから抜き出すことも可能ですが、カメラに入れてあるマイクロSDを抜き取ってパソコンに読み込んだ方が簡単です。ただ定期的に確認する必要があります。
 それと、動いているものを何でも検知するので風で枝が揺れるとずっと撮影しています。別種のセンサーと組み合わせればいいのかもしれません。

 他の機能としては、カメラにアカウントをつけると、同じネットワークの中にあるパソコンを使用してYoutubeのLive配信もできます(セキュリティ上、自庭の配信はお勧めしませんが)。

 マイクの音がいまいちとか、細かい設定はできないですが、けっこうな多機能で3,000円ほど、家の中からのバードウォッチングを簡単に試すには良いかもしれません。もし他にも(安くて)よい製品を知っていたら教えてください。

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posted by ばーりさ at 17:59| 電子工作戦隊

2021年10月07日

「カモ学講座」嶋田哲郎 著/森本元 監修 緑書房

宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎さん(伊豆沼のサンクチュアリセンターへ行くとお目にかかれます)が「カモ学」という本を出版されました。カモ学は嶋田さんの造語ですが、カモだけの話ではなく、カモ科(カモ、ガン、ハクチョウ)ぜんぶを解説している本です。こういうスタイルは生きもの本では珍しくて、特定の種について詳しく書いた本はありますが、タカ学とかツル学という解説書はたぶんなかったと思います(あったら著者の方ごめんなさい)。
そんなわけで「カモ学」は、このガンや、あのハクチョウだけでなく、冬になると水に浮かんでいる丸っこい鳥ぜんぶを知りたいんだ、という圧倒的多数のバードウォッチャーの皆さんにお応えできる本だと言えるでしょう。
内容はまず、カモ、ガン、ハクチョウというカモ科御三家の特徴にはじまり、それぞれの食物や採食行動、渡りコース、繁殖形態、越冬地での行動と至極網羅的に進みます。これらのページは「解説」に徹して次々と事実が述べられていく感がありますが、読み進んでいくと終盤の「ガンカモ類の保全」の章では調子が変わってきて、著者の実体験から熱のこもった問題と対策のありようが語られます。この章では嶋田さんの人柄が感じられると思います。
「カモ学講座」は本日発売です!

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posted by ばーりさ at 18:18| 書籍紹介