今日で3か月にわたる朝の聴き取り調査が終了しました。のべ440名(24人)の方に参加いただきました。ご参加ありがとうございました。
今年もここ数年と似た,春先は暖かく,その後寒くなって,また平年並みというような気温変化をした年でした。そしてさえずりのパターンも,ここ数年のさえずりパターンと似た,ゴジュウカラなど早春にさえずりのピークが来る鳥はさえずり時期が早く,その次にさえずりだすキビタキなどは遅めで,カッコウ類などは平年並みというパターンでした。
こちらより各種のさえずりパターンをご覧いただけます。
また,2011年から長期間にわたって続けてきている調査だけに,秩父では,これまで(標高が高い場所だけに)いなかったメジロが,最近は定着しつつあり,しばしば,さえずりが聞かれるようになってきていることがデータとして示すこともできています。
ただ,この聴き取り調査は欠点もあります。それは1か所の記録だということです。カメラトラップとは違い,音は遠くからも聞こえますので,カメラでの調査と比べれば,鳥の局所的な分布の影響を受けにくいのですが,それでも,なわばりの配置が変わるとその影響を受けます。たとえば,今年は秩父でキビタキが少なかったのですが,実際の現地での野外調査ではキビタキは増加傾向にあります。このマイクのそばに今年はキビタキのなわばりがなかったために,このようなことになっているので,経年変化を見るときには,年ごとの結果ではなく,全体の傾向を見ていくことが重要かもしれません。