ドローンで空撮した写真でガンカモやハクチョウをカウントする方法は、遠方でよく見えない群れや、岸から見ると個体同士が重なっている群れを数えるのに役立つのですが、撮影した写真を見て人力でちまちま数千羽を数えるのは、かなり絶望的な気分になる作業です。
そこで、カミエンス・テクノロジー株式会社の協力を受けて、同社のテラドローンという画像処理ソフトに搭載されているAI認識機能でカモのカウントをする実験をしています。なお、この方法は目視カウントより手間はかかりますから、人がカウントできている調査に替わるものではなく、熟練したひとがカウントしないと誤差が大きくなってしまうような大群を数えるための手法になると考えています。
次の写真は茨城県の北浦で昨年12月に撮影した、大半がオナガガモで構成される群れで、AIが認識したカモの種と雌雄別に色が付いています。はじめにカモを種・雌雄別に数百羽ずつAIに学習させ、その後、AIにすべての写真を分析させて、学習したカモの画像と一致する物体をカウントさせました。
そこで、カミエンス・テクノロジー株式会社の協力を受けて、同社のテラドローンという画像処理ソフトに搭載されているAI認識機能でカモのカウントをする実験をしています。なお、この方法は目視カウントより手間はかかりますから、人がカウントできている調査に替わるものではなく、熟練したひとがカウントしないと誤差が大きくなってしまうような大群を数えるための手法になると考えています。
次の写真は茨城県の北浦で昨年12月に撮影した、大半がオナガガモで構成される群れで、AIが認識したカモの種と雌雄別に色が付いています。はじめにカモを種・雌雄別に数百羽ずつAIに学習させ、その後、AIにすべての写真を分析させて、学習したカモの画像と一致する物体をカウントさせました。
自動認識できたのは次の4カテゴリーです。なお、オナガガモの雌雄の区別は完璧ではありませんでしたが、私が写真を目で見ても判別に迷うくらいの写真写りなので、AIにも難しかったと思います。まだAIの学習データが不十分なので、認識精度の検証は次の段階で行う予定です。
- オナガガモ♂ 1,018羽
- オナガガモ♀ 2,769羽
- ホシハジロ♂ 74羽
- オオバン 19羽

撮影したのはおよそ250m四方ですが、撮影範囲の東側にもかなりのカモがいたようで、残念ながらこの場所の群れ全体をカウントすることはできませんでした。現在の小型ドローンのカメラ性能ではカモ類の識別には高度20m以下での撮影が必要で、そうすると写真一枚の撮影範囲が狭くなってしまい、1回20分程度の飛行時間で撮影できる範囲はこのくらいなのです。バッテリーを交換して何度も飛ばせば広い範囲の撮影も可能ですが、カモの群れは撮影中にも動くので、あまり時間をかけるわけにもいきません。ドローンの性能は急速に向上しているので、近い将来、高い高度から効率よく撮影できるようになることを期待しています。
来シーズンの調査に備えていろんなカモの写真をAIに覚えさせたいのと、北浦ではオナガガモが大半だったため実験できなかった異なるカモの雌同士のAI認識を試すため、4月上旬に北海道のコムケ湖で空撮をしてきました。AI認識はまだ作業中ですが、ちょっと興味深い写真が撮れたのでご覧に入れます。
これはコムケ湖で撮ったスズガモの群れです。オスが先に繁殖地を目指すためなのか、このとき撮影した群れはほとんどオスばかりでした。潜水ガモ類はペア形成が遅くて、春の渡りの途中か、繁殖地に着いてからペア形成をすると言われています。じつは9月に道北で空撮したときにもスズガモはオスばかりということがあったので、雌雄の渡りのタイミングの違いを調べられたらおもしろいなと思いました。