2019年01月22日

株式会社エイジスにカモ調査の研修を行いました(佐藤)

 バードリサーチでは鳥類の調査員を増やすために株式会社エイジスとの連携を始めています。今回は調査の研修を実施しました。

 鳥類のモニタリングによる環境調査は、主に個人のボランティアによる調査によって行われていますが、調査員確保はどの調査でも課題にあがっています。そこで、これまでほとんどおこなわれてこなかった、NPOと企業の社会貢献活動によって、鳥類のモニタリングによる環境調査の実現を目指しています。

 エイジスは、国内棚卸ビジネスを展開している、いわば「カウントのプロ集団」です。エイジスのカウントのノウハウと,バードリサーチの鳥類調査のノウハウを合わせることで、「鳥類調査の調査員不足」の解消を目指しています。


 今回の研修会は、まずエイジスの本社で座学を実施しました。カモ類や鳥の生態や双眼鏡の使い方などをレクチャーしました。


 続いて、本社近くに流れる花見川河口でカモ類のカウント練習を実施しました。

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 腰につけている機器は棚卸の際にカウントするときに使用してるもので、今回もこの機器を使って鳥をカウントしてみました。バードリサーチの神山、佐藤と、エイジスの社員でそれぞれカウントしましたが、初めてのカウントとは思えないくらい、皆さん数がほぼ一致していました。

続いて、白鳥の郷に行って、ハクチョウ類のカウントの練習をしました。この日は600羽近くがいましたが、こちらも早さ、精度共にバードリサーチのスタッフとほとんど変わりありませんでした。

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研修をしてみて、これまで考えていた以上に新しい可能性を感じました。企業とNPOのそれぞれのノウハウがうまくマッチすれば、今までの課題を解決できるはずです。

次は1月31日に宮城県の鳴瀬川でバードリサーチと共同で、ガンカモ類の調査を実施します。
調査の詳細は、株式会社エイジスニュースリリースでご覧いただけます。


posted by ばーりさ at 16:51| 活動報告

2019年01月18日

アトリ科の鳥が多かった 秩父演習林1回目調査(植田)

今日は秩父演習林に調査へ行って来ました。
雪は全くなく,調査地まで車で難なく上がることができ,楽ちんでした。今回は学生さんが手伝いに来てくれました。装備のしっかりしているぼくには,大して寒い日ではなかったのですが,彼は町っぽい恰好だったので,寒くてしんどそうでした。おつかれさまでした。

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鳥の方は,アトリ類がたくさんいました。アトリ,マヒワ,イカルは群れで観察され,普段は秩父演習林では見ることのないシメの群れも観察できました。ツグミの群れも見ました。種子,果実共にそこそこ実っていて,それらを食べているようでした。
秩父演習林は,南斜面で雪もあまりないところなので,こういうところに下界で少ない冬鳥たちが,滞在しているのかもしれません。
さらに去年,「めずらしく観察できた」といったヒヨドリは,今年もいました。来月にする予定の2回目の調査の結果も見ないとわかりませんが,去年も偶然見られたのではなく,秩父演習林で越冬するようになったのかも。

終了後には巣箱を設置してから帰ってきました。去年は(繁殖時期が早かったためか)途中放棄されていた巣が多かったので,今年は成功してくれるといいな。

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今回は飲み屋さんのわらじカツ丼を食べました。
運んできてくれたお姉さんは可愛らしかったですが,カツ丼の方はちょっとクニャっとしていて,今一つでした。

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posted by ばーりさ at 17:20| 活動報告

2019年01月15日

8年目の松川浦シギ・チドリ類調査(守屋)

相馬市の松川浦に冬のシギ・チドリ類調査にいっていました。
雪もなく、高速を通ると1時間ほどで福島市から相馬市に入ることができました。

シギは、沿岸部にハマシギが60羽ほどかたまって休んでいました。
風は強くはありませんが寒かったです。
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冬期の湾内はカモ類が多く、マガモ、カルガモ、オナガガモ、オカヨシガモ、ヒドリガモ、アメリカヒドリ、コガモ、ホオジロガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、スズガモ等を観察できます。
湾内の干潟は沈んでなくなったところも多いのですが、小さな入り江に堆砂して干潟が大きくなっている所もありました。
人も近づかないし、なかなか良い環境なので渡り時期に期待したいです。
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後背の水田地帯にコハクチョウとオオハクチョウが100羽ほど採食していました。
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この地区は震災の翌年は、まだ大きな瓦礫が残っていました。
瓦礫を撤去し、表土をはいで除塩、客土して、整地して、細かなごみを大勢の人で取り除いて、3年ぐらい前から稲作が再開し、ハクチョウが落籾を拾えるようになったのだなと思うと感慨深いものがありました。
IMGP0048.JPG2012年1月

posted by ばーりさ at 14:01| 活動報告

2019年01月14日

北印旛沼でカモのドローンカウント実験

バードリサーチのニュースサイトでお伝えしているように、ハクチョウ給餌場で2008/09年越冬期ごろから給餌自粛が広まったために、ハクチョウと一緒に餌をもらっていたオナガガモが東北を離れ、茨城・千葉に集中するようになりました。そこで、この地域でオナガガモがどこに何羽いるのか、今後の増減はどうなのかをモニタリングしておく必要があると考えています。

給餌自粛によるオナガガモの分布変化−続報
 http://db3.bird-research.jp/news/201812-no4/

こちらは3月に佐藤君が書いた第一報です。
オナガガモの分布変化
 https://db3.bird-research.jp/news/201803-no3/

千葉県の北印旛沼は最大級の越冬地で、環境省のガンカモ一斉調査では近年1〜2万羽ほどが越冬しているようです。ただ、これほどの数になると目視で数えることが難しいため、ドローンを使って空撮した写真で継続的にモニタリングできないかと思って、1月11日に実験をしてきました。北印旛沼では地元で野鳥調査を続けている皆さんに案内していただきました。ありがとうございます。

さて、これまでもブログやニュースサイトでお伝えしているように、ドローンを使ってハクチョウやツルのような大型の鳥をカウントすることはできそうなのですが、ガン類とカモ類ではあまりうまくできていません。そうした課題を説明しつつ、北印旛沼で撮った写真をご紹介しましょう。

はじめにお断りしておくと、この日は強風で、少しドローンを飛ばして写真を撮りましたが、カウント調査ができるほど長くは飛行させることができませんでした。そして肝心のオナガガモは、撮影することができなかったのでした:-)

今回の空撮カウントで試したのは、まず手動でドローンを飛ばして群れの位置を確認し、次に群れがいる範囲に自動操縦を設定して水面を網羅的に撮影するという方法です。バードリサーチで使っているPhantom4 Proというドローンでは、色の地味なカモのメスを識別するには高度を20mまで下げねばならず、高度100m以上でもカウントできるハクチョウ類に比べて一定時間に撮影できる面積が格段に小さくなります。下図が今回設定した飛行範囲ですが、この200x400m区画の撮影に30分ほどかかります。
GSPro.PNG


そして運の悪いことに(しかし、よくありそうなことですが)、自動操縦をセットしている間にカモの群れが移動してしまったので、撮れた写真にほとんどカモが写っていませんでした。これはカモが写っていた写真ですが、マガモとトモエガモがいることが分かります。右上のトモエガモは顔の模様が見えます。
自動航行オナガとトモエ.jpg

こちらは別の場所で撮影したオナガガモ。高度20mでこんなふうに見えます。
出水オナガ.jpg

下の写真は北印旛沼北岸の長門川河口近くにいたトモエガモの群れです。この写真からは種を識別できませんが、望遠鏡で確認しています。
長門川河口とトモエ.jpg

オナガガモが少数混ざっているのですが、それは考えずに自動カウントしてみると、写真の左半分のカモが比較的大きく写っている部分で約1400羽。右半分は不鮮明で自動カウントできませんでしたが、左半分より多くいそうなので、3000羽+といったところでしょうか。ImageJというフリーウエアを使って、カウントできたカモに黄色いマークが付いています。
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カモのドローン調査が難しい理由のひとつは、現在のドローンではカメラ性能が低いため低い高度で撮影することになり、すると写真1枚に納まる面積が狭いので、撮影に時間がかかってしまうことです。もちろん高性能なカメラを使えるドローンもありますが、一般的な機種で調査できることが実験の目的です。それから、広い湖沼で群れ全体を撮影できるように自動操縦で飛ぶエリアを設定するのも、なかなか上手にできません。

それで今回のオチですが、カモは強い北風を避けて沼の北岸近くに固まっていて、ドローンを使わずとも岸から目視調査できそうでした。冬は天気の悪い日が多く、ドローンは雨風に弱いのです。いまのところ、ドローンが役に立つのは望遠鏡などでは見えない距離や物陰にいる群れを数える場合で、鳥が見えているのなら、どんな状況でも調査できる目視調査の方が確実です。


【詳しい説明】
ガンカモ調査にドローンを導入している調査地の皆さんの参考にしてもらえるよう、詳しい説明を書いておきます。
  • カメラは露出オートで撮影していますが、露出補正なしで撮影すると暗い水面に露出が合うので水鳥は白っぽく写ります。湖沼によって水面の色合いが違うので、その場所に合った露出補正(マイナス1〜2程度)が必要です。
  • ピントもオートにしていますが、マニュアルで無限遠にセットしておく方法もあります。どちらがきれいに写るか、今後テストします。
  • 自動操縦アプリ「GS Pro」でホバリング停止させながら撮影していますが、10枚に1枚くらい撮影漏れが起きます。別の自動操縦アプリ「Litchi」でも同じことが起きるので、Phantom側の問題かと思います。原因の分かる方がいたら、お教え下さい。
  • 水面の撮影は目標物がないので、隣り合う写真をうまくつなげません。ドローンで撮影した写真には中央の緯度経度が保存されているので、それを頼りに写真をGISで並べてカウントをします。ドローンの写真をGISで利用するためには、画像処理ソフトで写真の歪みを取ってきれいに合成する方法がありますが(オルソ化)、水面では使えません。
  • 写真は中心から外側に行くに従って実際の距離より長く写ります。しかし、同率で伸ばされた部分同士が重なるので、面積は正しくないものの写っている範囲はだいたい正確です。主な誤差としては、GPSの緯経度のずれが数メートルと、ドローンが揺れてカメラが真下を向いてない場合にいくらかのずれが生じます。下記は北印旛沼で高度20mで撮影した隣り合う写真をGISで並べたもので、数メートルずれています。高度20mでの画角は30x20mなので1割程度の誤差になります。高度が高くなって写真の画角が大きくなれば数メートルのずれは大した問題になりませんが、その場合はカメラが真下に向いてない場合のズレの問題が大きくなるでしょう。
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posted by ばーりさ at 10:34| 活動報告

2019年01月13日

秩父大山沢2回目の調査(植田)

2回目の調査に行ってきました。ここは,ぼくの調査地の中で,体感的には一番寒いところです。気温的には,たぶん,そんなでもないのですが,谷で陽が当たらないのと,傾斜が急で汗をかくからか,定点の復路が寒いんですよね。
沢が全面結氷していた去年ほどではないですが,今年もいい感じに冷えてました。でも,装備を新しくしたせいか,あまり寒さを感じずに調査することで来ました。でも,双眼鏡が凍結して使えなくなる:レンズ表面に汗の蒸気が凍り付く対策はまだ工夫が必要です。寒いところで調査している方,どうしてます?

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鳥の方は,新年を迎えたからか,カラ類が活発でした。イカルも多くて,1回目の寂しさとは対照的に,にぎやかな感じでした。初冬期はカラ類の記録が少ないのですが,移動しているのかな,それとも,あまり声を出さないからこちらが見つけられないだけなのかなぁ。

そして,何か食痕がありました。

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何だと思います? 白黒の羽と,黒い綿毛が特徴的です。
オオアカゲラ説が有力ですが,キツツキにこんなにたくさん綿毛があるんですね。それなら尾羽が欲しかったのですが,かなりの急斜面で,落ち葉の下にはところどころにトラップのようにアイスバーンがあるので,怖くて探せませんでした。

秩父の町まで降りて,遅い昼食。今年一番のカツ丼でした。今年は始まったばかりですが,衣が美味い!
わらじカツ丼なので,2足揃えるのが,筋なのですが,お店のおばちゃんが,止めておいた方がよいよ,というので,1足にしましたが,確かに,わらじカツ丼にしては肉厚で,2枚は無理だったかも。

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posted by ばーりさ at 05:18| 活動報告