2018年08月15日

カルガモの雌雄と成幼の識別ポイント

今朝、東京都多摩市にある多摩中央公園の池でカルガモを見てきました。今ごろの時期でも、まだ小さなヒナがいます。でも、三日前に見たときから2羽減って6羽になっていました。

P1170537ヒナ6羽.JPG

さて、今朝撮った写真を見ながら、カルガモの雌雄と成幼の見分け方をご紹介しましょう。識別ポイントは氏原巨雄・道昭氏の日本のカモ識別図鑑を参考にさせていただきました。とても詳しい図鑑ですので、カモの観察をするときにはお勧めします。

この写真は成鳥メス。成鳥の特徴は、羽毛が丸みを帯びていること、羽縁の褐色部分に途切れがないこと、足の水かきがオレンジ色であること。メスの特徴は、ほとんどの羽毛にはっきりした褐色の羽縁があり、上尾筒の羽毛の一部にも羽縁があることです。それから、この個体は風切羽が換羽中で、新しい羽軸が生えてきています。いまは飛ぶことができません。

P1170603成鳥換羽中.JPG

次の二枚の写真は同一個体で、私には雌雄までの区別は付きませんでしたが、幼鳥です。胸の斑点が成鳥よりも細かく、縦長であること。足の水かきが灰色であること、脇腹と背の前方の羽毛が尖り気味で羽縁の先端が切れていること、が幼鳥の特徴です。脇腹より背の羽の方が特徴を見やすい個体が多いように思います。なお、秋になると第一回繁殖羽に生え替わるので、そうすると成幼は見分けにくくなります。

P1170547縦斑+灰ヒレ.JPG
P1170541縦斑+羽縁切.JPG

最後の二枚の写真は、上が幼鳥、下が成鳥オスです。幼鳥は背中と脇腹の羽が尖り気味で、羽縁の先端が切れています。成鳥は羽毛に丸みがあり、さらに雄の場合は背中後方の羽に羽縁が少ないので黒っぽく見えます。換羽中で風切りがないため上尾筒が露出していて、この部分の羽毛に羽縁がなく、色もメスより濃い黒色であることがわかります。

P1170484幼鳥肩羽小さい.JPG
P1170617羽縁ないのは雄.JPG

ところで、多摩中央公園にはコンクリートで作られた小池と、地面を掘って作られた周囲も土のままの大池があり、小池は10数羽、大池は20数羽のカルガモがいるのですが、小池は幼鳥が多く、大池は成鳥ばかりのように見えました。全個体を確認していませんし、成幼が微妙な個体もいるので断定はできませんが、幼鳥と成鳥は居場所が分かれているのかもしれません。

posted by ばーりさ at 10:05| 活動報告

2018年08月11日

中央公園8月11日調査報告

昨夜の宇都宮は大雨に伴う避難勧告の警報で騒然としていました。
幸い大きな災害は起きなかったようでした。
一夜明けた公園。
鳥たちは何事もなかったように行動していました。

ただ今朝も鳥たちの姿は少なめでした。
例年多いハシブトガラスも今朝は12羽のみ。
先週よりさらに減少していました。

大池の縁のシダレザクラの木。
近くの巣で巣立ちしたササゴイの幼鳥が枝先で羽繕い中です。
親鳥の帰りを仲良く待っていました。

180811_sasagoi.jpg
(朝陽を浴びて羽繕いをするササゴイの兄弟)

ただ、一旦、親鳥が戻るやいなや皆ライバルに変身。
先を争って猛ダッシュ。
無理やり親鳥の嘴をこじ開けて自分の嘴を親鳥の口の中へ。
親鳥もたまらず一目散にその場を退散。
餌運びも命がけ??

こうした光景もあとわずかです。
あと4、5日で最後の巣のヒナも巣から出て枝移りです。
そして月末には公園を後にしていることでしょう。

今年は繁殖つがい数は減少したものの繁殖成績は良好でした。
この分だと今年は30羽の若鳥たちが旅立っていきそうです。

180811_kawasemi.jpg
     (池の縁で争うカワセミ)

ササゴイのヒナたちの下ではカワセミが争い中?
池の縁の石の上で、体を細くして嘴を上方に向けあっていました。
1羽は今年生まれの若鳥です。

彼らも生き残りをかけて必死です。
上手く定着できるでしょうか。
今後が楽しみです。

参加者6名 記録種数13種 記録個体数70羽
次回は8月18日午前6時からです。担当:BR平野


posted by ばーりさ at 14:40| みにクル報告(宇都宮)

2018年08月04日

8月4日中央公園調査報告

今日も真夏の太陽が照り付ける朝。
公園の鳥たちも夏枯れ状態。

小鳥類はシジュウカラ2羽とスズメ1羽。
7月中には大池の上空を多数飛び交っていたツバメ。
今朝は1羽も記録できません。
渡りに先駆けて郊外へ移動してしまったのでしょうか。

hasibuto_180805.png
(ここ10年間の8月上旬におけるハシブトガラスの個体数変動)

7月下旬から8月の公園はハシブトガラスが主役です。
たくさんのハシブトが早朝から飛来し、セミを捕らえる姿があちこちで見られます。
特に2013年や14年には60羽以上が記録されていました。
しかし、ここ数年減少傾向に。
今朝は調査前に39羽を記録しただけでした。

2013年ごろにはケヤキの枝葉にびっしり付いていたセミの抜け殻。
同じ場所を探しても今朝は4個が付いている葉を見つけるのがやっと。
とすると公園のセミが減ってきたのかもしれません。

180804_semi.jpg
(ケヤキの葉についたアブラゼミの抜け殻)

ただそれでも場所によっては凄まじいセミ時雨。
シジュウカラの鳴き声もかき消されそうでした。

今は我慢の日々です。

今朝の参加者4名 記録種数15種 記録個体数128羽
次回は8月11日午前6時からです。担当:BR平野





posted by ばーりさ at 12:02| みにクル報告(宇都宮)

2018年08月01日

下村兼史写真展のお知らせ

山階鳥類研究所から案内をいただきました。1920年(大正9年)ごろから野鳥の撮影をしていた下村兼史氏の写真展が開催されるということで、みなさまに紹介させていただきます。

100年前にカワセミを撮った男 写真展

IMG_1647.JPG
posted by ばーりさ at 18:05| 活動報告

識別と機械学習

Googleが今年1月に「Cloud AutoML Vision」という、専門知識がなくとも画像認識の機械学習ができるサービスを発表しました。当時は限定ユーザーのアルファ版だったのですが、この7月下旬にベータ版に更新され、一般ユーザーでも利用できるようになったので今回試してみました。

コンピュータに画像に何が写っているか判別させることを画像認識というのですが、それを行うためにはコンピュータにいろいろなものを覚えてもらわないとなりません。そのためのプログラミングには高度な専門知識が必要です。今回のGoogleのサービスは、判別のための画像データ(写真)とそれが何かラベルをつけるだけで、判別のモデル式(分類器)を作成してくれるというものです。

サンプルにはお花の画像が大量に入っていたのですが、そこはバードリサーチなので身近な鳥の判別モデルを作ろうと試しました。コンピュータの学習のために、シジュウカラ、ヒガラ、ヤマガラ、エナガ、メジロ、ウグイス、ヒヨドリなどの画像を各種100-200枚用意しました。ちなみに推奨は1種1000枚以上です。学習教材が多ければ多いほど、様々なパターンを学習し判別率は向上します。
2018-08-01 (1).jpg

画像を登録してTRAINボタンを押すと学習が始まります。コンピュターは画像を読み込み、10分ほどでモデルを作り上げました。
検定率は、以下のようになりました。
2018-08-01 (10).jpg
メジロは100%の識別ができて、シジュウカラは89.7%、ヒガラやメジロと誤ったようです。ウグイスは77.8%、なぜかヒヨドリやエナガと間違えています。地味だから特徴がないからでしょうか。

先日来設置している水場カメラ(Twitter: @CameraMoriya )の写真から、シジュウカラやメジロの写真を使って、この判別モデルがどれだけ使えるか試してみました。

2018-08-01 (4).jpg
82.6%でメジロー正解

2018-08-01 (11).jpg
87.5%でシジュウカラーぶれてるのに正解

2018-08-01 (7).jpg
72.0%でヒガラー不正解

2018-08-01 (14).jpg
判定不能?シジュカラ幼鳥は無理だったか。

しかし、鳥をトリミングしてみると、判別率が上がりました。
2018-08-01 (15).jpg
96.7%でシジュウカラ!

コンピュータに教え込むべき画像のパターンを増やしたり、背景と切り離したりと、まだまだですが今後データを積み重ねたり、入力を工夫すれば、実用に耐えるものになるかもしれません。

ちなみに海外では、Merlin Photo IDといった画像判別のアプリもリリースされています。
日本でもAIが野鳥判別の一助となってくれる日も遠くないかもと思いました。
posted by ばーりさ at 16:12| その他