2018年03月25日

カモのカウントに使う双眼鏡 6倍vs8倍vs10倍(神山)

これまで10倍率で720gある双眼鏡(ニコン10x42SF)でカモを数えていたのですが、視界が6度でやや狭いのと、1分以上構えていると重たくて腕がピリピリしてくるのとで、新しい双眼鏡を購入することにしました。軽さと視界の広さを基準に選んだ、ヒノデ6x30B+(視界8.4度、482g)とニコンMonarch7 8x30(視界8.3度、435g)です。"大人買い"というのでしょうか、二台も買ってしまいました!

水元公園.JPG
【水元公園の池】

私の調査地は東京都内にある水元公園の池です。私がカモを数える場所は、対岸まで130m、扇形の範囲を観察するので遠方は170mほどになります。カモは前方10mから170mの範囲に浮かんでいて、10倍の双眼鏡では前後160mの広がりを視界に入れることができないため、遠くを数えてから近くを数えることになります。すると双眼鏡を左右に往復させて動かすため、遠くと近くの境目にいるカモを二度数えたり、数え漏らしたりすることがあり、誤差の範囲だとも言えますが、双眼鏡を持つ腕がピリピリしてくる状態で境目を気にしながら数えるのは、私には結構ストレスでした。

双眼鏡.JPG
【左:ヒノデ8x30 B+ 右:ニコンMonarch7 8x30。上に乗っているのはダイソーの100円カウンター】

ひっつき虫.JPG
【カウンターはコクヨの「ひっつき虫」という固まらないゴムのような樹脂で脱着します】

そこで、視界が広く(つまり低倍率になります)て軽い双眼鏡が欲しくなったというわけです。写真の双眼鏡の上に付いているのは100円ショップのダイソーで買ったカウンターで、2つあるのはオスとメスを分けて数えるためです。10倍の双眼鏡で同じことをすると、ボタンを押すたびに視野が揺れて気持ち悪くなってしまいました。8倍だと少し揺れますが、まあ使えます。6倍ではほとんど揺れを感じません。

さて、カモの見え方ですが、6倍・8倍ともに前方10mから対岸130mまでのカモを視界に入れることができました(8倍は立っていると視界に入りきらず、岸に座って浅い角度で見る必要がありました)。6倍は焦点深度が深く、近くから遠くまで、ほとんどピントリングを動かさずに観察ができました。

水元公園にいるカモの大半は、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロです。これらが6倍でどこまで見えるかというと、100mを超えるとメスの識別が難しくなりました。首を隠して寝ているホシハジロとキンクロハジロのメスは、遠いとけっこう迷わされます。8倍は対岸ぎりぎり130mでも識別可能ですが、斜め対岸の170mはちょっと苦しい。実のところ、対岸に浮いているカモの識別には10倍が適当なのですが、前述のように双眼鏡を往復させて数えると境界線で間違いが起きやすく、他方の8倍では遠方で間違いが起きやすくなります。どちらも一長一短ですが、私は軽い方がいいので8倍を選びます。

6倍はこの場所の調査には向いていませんでしたが、じつは三台の中で一番見え味のいいのがこの双眼鏡で(注※)、私は気に入っています。もう少し狭い調査地や、あるいは遠くても雌雄の識別の必要がない単一種で前後に大きく広がった群れを数えるときは役に立つと思います。左右に広がっている群れは双眼鏡を左右に動かせば良いのですが、前後に広がった群れの場合、視界の広さとピントの深さがメリットになるでしょう。

ご参考までに双眼鏡の倍率によって見えるサイズの違いですが、10倍の双眼鏡で見えている大きさを1とすると、次のようになります。

10倍:1 8倍:0.85 6倍:0.68 5倍:0.59

8倍と10倍の双眼鏡はどちらにすべきか迷う方が多いと思います。15%の違いというのは微妙なところですが、遠い鳥を無理して見るときに差が出るくらいという感じでしょうか。


(注※)双眼鏡の見え味は価格に比例すると言われていますが、ヒノデ6x30B+とニコンMonarch7 8x30は価格的には近い機種なので、ヒノデは低倍率である分、クリアに見えるのかもしれません。もう少しお値段がするニコン10x42SFは20年近く使い込んでいるので、新品のときはもっとよく見えていたのかもしれませんが。
posted by ばーりさ at 22:38| 調査用具

ライブ音聞き取り調査 今年も4月1日スタート(植田)

chichibu04a.jpg

今年は春の訪れが早いですね。バードリサーチ事務所のまわりのサクラも満開間近,雑木林ではツミが活発に動いています。

2012年から毎年実施している鳥のさえずりの聞き取り調査今年も4月1日から開始します。例年は6月いっぱいまでやっていますが,今年は4月いっぱいはしっかりと,それ以降は不定期開催です。

この調査は,森の鳥への温暖化の影響を明らかにするために,繁殖時期の指標となるさえずりの活発な時期をモニタリングすることを目的に実施しています。
聞き取る場所は北海道富良野,長野県志賀,埼玉県秩父,山梨県山中湖ですが,インターネットを通して,どなたでも,どこにいても聞き取りに参加できます。きたる繁殖期の調査ですぐに鳥の鳴き声の識別ができるように,リハビリを兼ねて参加しませんか?

参加方法および聞き取りの日程は以下よりご覧いただけます。

また,リハビリグッズとしては,スピードバーディング,鳴き声クイズなどいろいろ取り揃えていますので,ご利用ください。



posted by ばーりさ at 11:13| 活動報告