2017年08月26日

中央公園8月26日調査報告

一月は早いもので今日は8月最後の調査です。
雨の予想にもかかわらず明るい曇り空。

しかし、鳥たちの姿は今日も少な目。
個体数が多いのはハシブトガラスとカルガモだけです。
キジバトやヒヨドリは市街地の代表的な鳥です。
ところがヒヨドリは3羽のみ。
キジバトは先週に引き続き記録できませんでした。

それでも調査の最後にエナガとシジュウカラの混群が出現しました。
ケヤキやカシの高木の樹冠をしきりに動き回る彼ら。
なかなか正確な数をカウントできません。
それでもエナガ8羽とシジュウカラ4羽を記録できました。
どうにか今回は記録種数が一桁を免れました。

キジバトやヒヨドリの少なさが気になり公園での季節変動をまとめてみました。
下のグラフは、2種の3年間の10日ごとの最多個体数の変動です。

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(ヒヨドリの10日ごとの最多個体数の季節変動 毎年4月から3月が1年)

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(キジバトの10日ごとの最多個体数の季節変動)

ヒヨドリは4月中旬から5月上旬と9月下旬から10月に大きなピークがあります。
これは渡りによるものです。
また、冬の方が個体数が多いことがみてとれます。
一方、キジバトは個体数の変動が大きいことがわかります。
そして、ヒヨドリほど明確な季節変動がありません。

しかし、両種とも8月下旬から9月は1年のうちで最も少ないことが見て取れます。
繁殖が終わりあまり鳴かなくなるためかもしれません。
しかもヒヨドリでは換羽の季節です。
こうしたことで、今の季節は発見率が下がることで記録個体数が少ないと思われます。

ただ、キジバトは公園外のほうが食物となる草の種子が多そうです。
食べ物を求め一時的に外へ出かけていることも考えられます。
とすると、今の季節、キジバトは公園の外に多いのでしょうか。
機会があれば調査してみたいと思います。

参加者6名 記録種数10種 記録個体数77羽
次回は9月2日 午前6時からです。担当:BR平野
posted by ばーりさ at 14:52| みにクル報告(宇都宮)

2017年08月23日

爺ヶ岳登頂_8月後半なるもさえずり続ける鳥のなぞ(高木)

先週、録音機を設置してもらっている北アルプスの種池山荘へ行ってきました。昨年は天候の悪化が予想されたので急遽宿泊せずに日帰りで下山しましたが、今年は一泊させてもらい、爺ヶ岳の山頂を目指しました。と言っても、標高2450mの山荘から標高2669mの爺ヶ岳までは1時間少々。あとは、山荘でゆっくりさせてもらいました。山荘の休憩室で見つけた本のタイトルが「40歳からの山歩き」。そして帯には「熟年世代の入門コース精選60!」の文字・・・。今年、僕も40才。そうか、もう熟年なのか、と妙に神妙になりました。
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 気をとりなおして(?)、鳥の話をしましょう。春も過ぎて夏になると森林の鳥たちのさえずりは不活発になりますが、8月後半だというのにウグイスとメボソムシクイは活発にさえずっていました。さすがにルリビタキは下火で、うじゃうじゃいるはずの標高2000mより上でも彼らのさえずりはちらほら、やや遠くから聞こえるだけ。むしろウソのほうが多いぐらいで、鳴く頻度も高いようでした。ウソの生態をあまりよく知らないのですが、麓で元気だったカラ類の家族群のように、子連れの時期にコミュニケーションを活発にとるのでしょうか?
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爺ヶ岳に南から登る柏原新道では、7〜8月の夏期は標高2100mあたりが一番鳥が多い。個体数も種数も。針葉樹に広葉樹、低木、ササ薮がほどよく混ざっているからなのか。

 さて、ウグイスです。まあ、よく鳴いていました。なんでこんなにいつまでも鳴いているのか、と今更ながら思いました。この疑問に対する答えは、妙高高原で濱尾さんが行われた研究で明らかにされています(濱尾 1992)。ウグイスは一夫多妻の婚姻システムを持っているので、オスはさえずり続けることで、より多くのメスとつがいになろうとしているのです。では、ウグイスでは、オスよりメスの方が多いのか、というとそうではありません。巣内ヒナの性比がメスに偏っている、ということはないようなのです。ウグイスでは、巣の卵やヒナが天敵に捕食される頻度が高く、一度つがいになったメスが繁殖に失敗した後、別のオスとつがいになるため、雌雄同数でも一夫多妻が維持される、というわけです。
 では、メボソムシクイはどうでしょう?ウグイスは一夫多妻でオスは育雛を免除されていますが、メボソムシクイは一夫一妻でオスはヒナへの給餌を手伝います。おや?どうも同じ論理で片づける、というわけにはいかないようです。ですが、捕食圧は高いようでヘビ類のほかテンによる捕食も確認されています(齋藤 2011)。繁殖失敗を繰り返すために、遅くまでさえずらなくてはならないのかもしれません(捕食圧の高い鳥はほかにもいっぱいいるので、寿命が短いとか、季節の後半でも餌条件が変わらないとか、ほかにいくつかの要因が絡んでいるのだとは思いますが。)。
 ウグイスやメボソムシクイはなかなか姿を見ることができませんが、テンやオコジョも滅多に出会えません。僕らの目の行き届かない薮の中で、彼らの生存をかけた激しい戦いが静かに繰り広げられている。もし、メボソムシクイが夏にさえずらなくなったとしたら、それは、捕食者の絶滅の危機を知らせるサインかもしれません。こう考えるのは、憶測が過ぎるでしょうか(笑)。
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薮の奥ではどんなドラマが展開されているのでしょう?

DATA
今年は、だいぶ低い標高でメボソムシクイを確認。登山口に近い1530mでさえずっていた。その他、いくつかの種の出現標高の下限は下記の通り。(さえずりの確認には時期が遅いので、あくまで参考まで)
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2120m ホシガラス、ウソ
1800m ルリビタキ
1530m メボソムシクイ(1羽のみ、ほかは1800m以上)
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引用文献
濱尾章二.1992.番い関係の希薄なウグイスの一夫多妻について.日鳥学誌 40: 51-66.
齋藤武馬.2011.生態図鑑メボソムシクイ.バードリサーチニュース 2011年11月号: 2-3.
posted by ばーりさ at 16:31| 活動報告

2017年08月22日

神奈川猛禽類レポートU

チラシをいただきました!
神奈川野生生物研究会から『神奈川猛禽類レポートU』が9月中頃に発売予定です。

『神奈川県内に生息するクマタカを中心にした猛禽類の生態、繁殖状況等を解説し、また猛禽類保護の経緯及び提言を具体的に記述。生態写真(カラー)、イラストも豊富に挿入し、猛禽類についてのコラムも掲載』とのこと、長年にわたる調査研究の成果をとりまとめたもので、2000年に刊行された『神奈川猛禽類レポート』の全面的な改訂版とのことです。

【内 容】
第T章 クマタカ
第U章 オオタカ及び他の猛禽類
第V章 神奈川県で確認された猛禽類の解説
資料集

Amazonのみで購入でき、定価:3,000円+税

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posted by ばーりさ at 12:05| 書籍紹介