その際、保護柵に取り付けたモニタリングカメラには、繁殖の状況とともに巣に近づくカラスやネコなどが撮影されています。ネコは日中はほとんど見かけないのですが、夜には九十九里の砂浜を徘徊しているようです。

保護柵で手が出せないネコ
ハシブトカラスについては、日中に卵を持ち去る観察もあり、抱卵中の捕食者であることはわかっていました。ただ夜間にいなくなるペアもいたので、カラス以外の夜行性の捕食者がいると予想していましたが、何者なのか確かな証拠はありませんでした。
しかし、今回保護策柵をつけていないモニタリング中のシロチドリの巣で、巣に顔を向けるネコが撮影されました。撮影時間と巣内の温度計の変化による抱卵放棄の時間とが一致し、ネコによる営巣の放棄を確認しました。
6/28 00:11に巣に訪れたネコの後ろ姿

6/28 00:10頃 抱卵していた巣内の温度が急激に低下(矢印)し、その後巣外の温度と同調。
抱卵を止めたと考えられる。
九十九里浜のシロチドリにとってはネコも脅威となっているようです。
カラス除けのために設置した保護柵でしたが、とりあえずネコにも有効のようです。