2016年10月03日

ID-BIRD タカの渡り調査(守屋)

野鳥の会 奥多摩支部さんの協力を得て、ID-BIRDでタカ類の渡り調査を実施してきました。

青梅市にある梅の公園は、標高は260メートルぐらい多摩川沿いの急な谷地形の公園です。
高木があまりなく視界は良いです。現在、ウメの木はプラムポックスウィルスが出たため切り倒されてありません。
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天候は晴れで観察日和ですが、2日前に700羽ほどのサシバの渡りが観察されていたので、ちょっとピークはズレてしまいました。これは天候に左右されるので仕方のない事です。
また今回、レーダー機器も設置し、タカ(もしくは飛んでいる鳥)がどのようにみえるかも見てもらいました。

観察できたルートは、地点の北東から南西、北北西から南南東によく移動していました。
午前中はすぐ横の谷で高柱などが観察されましたが、昼からは非常に高度が高く移動し、これは色などによる識別の世界ではなく、シルエットと行動により種を識別する必要がありました。尾羽や翼の形状、縦横の比率、大きさなど、奥多摩支部の方の助けを借り、参加者は経験を自分のものにしてくれたと思います。
識別の練習を助けるようにトビが何度も飛んでくれました。
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さて、レーダーですが周囲に障害が多かったのと対面の稜線までが2kmと短かったので、実力を発揮するには至らず、人間目視センサーに破れました。レーダーに飛翔物がどう映るかは見てもらえましたので、今回は良しとします。もう少し調整が必要なようですので、パフォーマンスが発揮できるローケーションを探す必要があります。

全体の記録ではサシバは130羽ぐらいとのことでした。ダイサギとアオサギの編隊飛行やカケスやヒヨドリの集団も観察できました。
鳥が渡っている姿は旅路を想像すると感動的です。できれば来年も企画できればと考えています。

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おまけ 奴賀君提供「梅のソフトクリーム」
posted by ばーりさ at 17:30| 活動報告

鳥インフルエンザと野生動物 シンポジウム参加(守屋)

鳥インフルエンザと野生動物というシンポジウムに参加してきました。
発表者はほぼ獣医学関連の研究者の方でした。

鹿児島県出水平野のツルのモニタリングをされているお話では、ほぼ毎年のように鳥インフルエンザウィルスは検出されているようです。遺伝的解析によってウィルスを系統的に分けると、北米由来、欧州由来、アジア由来のものがあり、出水平野では3種類が同時期に検出されているそうです。伝播経路としても興味深かったのですが、欧州とアジアを結ぶ渡り鳥はなんでしょうか?アカアシチョウゲンボウ?

また、ツルはウィルスによって死亡するようですが、カモはウィルスによる死亡とは考えにくい状況で、他の要因で死んだ個体を検査して鳥フル罹患がわかったそうです。自然宿主としてカモがほぼ死なずにウィルスを持つことからキャリアーとしてのカモはほぼクロのようです。
ただ、カモがウィルスを運ぶ可能性が高いのはいいとして、それらが繁殖地に帰り仲間にウィルスをうつし、またそれぞれの越冬地へ向かい感染を広げるというストーリーで説明されていたのですが、繁殖地で個体同士の接触が頻繁にあるのか疑問でした。渡り鳥が利用する環境水の中にもウィルスがいたことを考えると、渡り途中の中継地のほうが各種乱れて集団になるので可能性が高いのではないかと思いました。

もうひとつは、渡り鳥からどうやって鶏舎の中のニワトリへ?という疑問ですが。
センサーカメラを使った調査の話題では、鶏舎内にはネズミがかなり多いようです。また頻度は少ないもののネズミが外部へ出ることもあり、またイタチが侵入してネズミを捕まえているという紹介もあったので、外部でカモに接触もしくは間接的に接触して鶏舎に持ち込む可能性はありそうです。しかし、カモ→環境水?→イタチ?→ネズミ→ニワトリとステップが多いので、それほど大発生していないのかもしれないと思いました。実際どうなんでしょう?感染経路の特定は難しそうですね。

今のところ、出水のツル集団越冬地では、大規模な集団死は起きていませんが、インフルエンザウイルスは常に変化し続けているようなので、より感染力の強いウィルスになるとも限りません。
越冬地の分散化は、それを防ぐためにも急いだほうが良いのではないかと思いました。
posted by ばーりさ at 16:10| 活動報告